とりぼっち

主に舞台の感想が好きなように書かれています。

「推し」について考えている②

前回書いた推しになりそうな人への叫びを閲覧してくださったりスター下さったりありがとうございました。ランブロの通販が始まったものの私が仕事している間に完売し血の涙を流したりしていましたがまだ諦めてはいない。個ブロだって諦めてはいない。

 

エーステについての記事を書いていたのですがまだ完成しなさそうなので再度推しについて考えていきたいと思いました。

今月も観劇が控えているのですがそちらには既に愛称で呼び始めるようになった推してる人は出演しません。しかしある人に手紙を書こうとしています。何故かと言うとその人は私がいまでも沼っているシリーズに出ていて勝手によく知っているからです。今回観劇する舞台はシリーズ2作目に当たり、前作は円盤で楽しみました。このシリーズに興味を持ったのも沼シリーズからメイン2人(と思ったら今作で3人になった)が出ていたからなんですが、手紙を書きたいと思ったのはその内のひとりです。

これは推しているのか? あっという間に推しが複数になったのか?

ただ前回の記事でも書いたのですが一人目の推しさんはその人自身の一挙一動が好きなんですよね。キャラではなくてまずその人を気になり出すとか思っても見なかったことなのですが気付いてしまうとちょっとした仕草とかでも好意的に捉えてしまう。恋は盲目のような現象なのでしょうか。

今回のその人はまず沼シリーズのキャラクターが好きなんですよね。他にも好きなキャラはいるけれど、誰が好きと聞かれて何だかんだ悩んだ挙句に出てくるのがその人が演じるキャラです。ただその人自身歌もダンスも上手いし演技の仕方もすごく好きで年長組なのにそうは見えないところも良いなと思います。

ここまで文章にしてみて、やっぱり推しているんだろうなと結論が出そうですがお二人に抱いている感情はちょっと別のもののように思えるので不思議です。「推し」って不思議です。

 

手紙と言えば、推しのいる後輩も手紙をプレボに投入していますが、最近それが自分からの手紙だと言うのが分かるように判子を作ったそうです。確かに他の方の記事でも自分らしい手紙について書かれているのを見かけます。そういうのいいなあと後輩のやることに憧れるのが私なんですが、ただ残念なことに物臭かつ不器用なので消しゴム判子はリスクの方が高そうだ。別の方法を画策しています。

 

何やかんやと語ってきましたが、私、渡辺コウジさんのことも推してるんですよね。握手会を渇望しているんですよ。この人はもう存在がヤバい。鉄ライがいまから楽しみで仕方なく、映画館に行けないことに崩れ落ち、ブロマイドを揃えることを誓う。

 

人を「推す」ということは苦しいけどとても楽しいことだと思います。お金と体力を使うけど、その人に自分の時間を使うことはきっと苦ではない。

職場環境のよろしくなさに溜め込んでいた不満が後輩共々爆発し転職を考えつつ、そんなこと全部忘れて観劇とかを楽しんでいきたいです。

 

以前から興味津々だったマシュマロを作ってみたので皆さんの推しのこととか手紙のこととかおすすめの舞台とかあったら気軽に投げて下さい。

marshmallow-qa.com

「推し」について考えている

閲覧やスター、ありがとうございます。文章を書く時の励みになっています。

ちょこちょこ色んな方のブログで見かける「りさ子のガチ恋♡俳優沼」という作品に前々から興味があり、先日原作小説を読みました。まさかほぼ一日で読んでしまうとは思いませんでした。こんなに夢中になったのは魔性の子以来です。魔性の子十二国記シリーズのひとつですが単品で完成度高すぎくんで読めるのでお時間ある方は是非読んでみてください。

そうしてりさ子についてですが、何故そこまで没入できたかというと異常なほど共感性が高かったからです。分かりみが強過ぎて若干精神を削られましたが、小説作品としてもとても面白い。

 

本題としましては、とうとう私にも推しと呼べる人ができたかもしれないという話。自分が思い込みが激しく熱しやすく冷めやすい性格だと自覚しているのでまだはっきり推しですと言える自身は無いのですが、好きだなあとは思います。

元々役者さんより作品のキャラ萌えをする性質だったのですが、その人に対してはその人の仕草とかが好きだと思うんですよね。そもそも気になり出したきっかけは座談会での役を演じていないその人自身を見てからだったりします。

推しを持つ職場の後輩であり観劇の先輩に倣って実は初めて手紙なんか書いちゃったりして初めてプレと一緒にプレボに投入させて頂いちゃったりなんかしたんですが、これ結構苦しいですね。此方は贈って終わりなので結果が分からないから苦しいのかもしれない。便箋を手にしたのも何年振りか分からない。でも恐らく今後も手紙は書く気がします。

 

色んな方の推しについて書かれている記事を読むのはとても楽しいです。なるほどと思うことも、羨ましいと思うこともあります。憧れているのかもしれない。

前述のように後輩にも推しがいるので、奇跡のワンチャンで接触イベに参加できることになった彼女の動向を見守っています。マジで奇跡。受付当日、二人して申し込みを忘れていて昼休憩の時思い出して叫びました。

そしてもうほぼほぼ推しなんだとは思うのですが、推しになりそうなその人には個人ブロマイドがない! ランブロにしかいない! うわあと後輩に嘆いていましたが恐らくランブロも通販してくれそうなのでそうなったら後輩も買ってくれるらしいです。開封し合いましょうと言ってくれました。昼休憩、私たちは阿鼻叫喚しそうです。

 

 本当はりさ子の感想文を書いていたのですが、彼女に共感するところを中心に書いていたら自分やばいなと思ったのでお蔵入りしました。まだ内に秘めておきたい感情でしたが、やっぱりりさ子の気持ちはとても良く分かるんですよね。

りさ子を読んでから「推し」とは何ぞやと考えるようになりました。何処からが推しなのか、形のないものを認識するのは難しいですがもう既に推しているんだろうなとは思います。結論その人の一挙一動が好き、そんな感じ。

休みも少ないわ人も辞めていくわの職場なのでその人が出ているすべての舞台を観るのは至難の業ですが、自分のペースでぼちぼち推していけたら幸いなのかなと思います。

【感想】LikeA room[003]

ついにこの日が来た。

8月14日(水)、LikeA room[003]のマチネを観劇しました。最前列センター席。見える……顔が、汗が、見えるぞ。

以下、シリーズ通してのネタバレ+Club SLAZYのネタバレを含みますのでご注意下さい。

 

 

Club SLAZYに現在進行形でドハマりしているので、同じ製作スタッフが作るLikeAを観ないはずがありません。前作、前々作はDVDで観ました。一作目の圧倒的投げっ放し感は流石だなと思いましたが此処で私はキャプテンRに出会えたので一作目好きです。苦しむ姿が見られるのが好きってやつなんですがこれは職場の後輩にも賛同を得られている。一作目はざっくり言うとRをBBが励ます話だと思っているのですが観れば観るほど好きになるスルメ作品だとも思っています。二作目は圧倒的Club SLAZY匂わせをぶち込んできて私の息の根を止めようとしてきました。もう絶対繋がってるよねと私の精度に欠ける考察脳が今日もぐるぐる動き回っています。

それらを踏まえて今作を生で観劇することが出来ると分かった瞬間の私のテンションの爆上げ具合は凄まじかったのですが、もちろん此方のどツボを突いてくる制作者さんのシリーズでストーリーも好みでっていうのもあるんですが何より出演者に歌うましかいない。一作目を観たときに目が飛び出ました。まず歌い方が違う。何だその声は、何だその喉は。特に中谷さんの歌い方が独特で好きです。その歌が生で聞けるって最高です。

楽曲が良いのは相変わらず。

 

海沿いの街“ハイタイド”に建つ一軒の高級ホテル【PERMANENT】
これはHOTEL PERMANENTの“ひみつ”をめぐる物語(ミステリー)
新しい謎の扉が開く第三弾

男たちは “ひみつ” を歌う

PERMANENTというよりはハイタイドそのものに“ひみつ”があり、男たちそれぞれに“ひみつ”があり、謎が明かされたと思ったら新たな謎をべっとり上塗りされた話でした。

情報量が多すぎて一度観ただけでは覚えている情報が正しいかどうか自信がないので、30日からの配信で観返そうと思います。

 

・明かされたハイタイドの謎

割とさらりと明かされたのはハイタイドが独立国家であることでした。太陽の光を輸出し、酸素と水を輸入しています。ハイタイドの海の底にロータイドやTORIの世界があり、今作出てこないバトラーは任務でTORIに行っていました。TORIはスレイジーでいう「統制された理想郷」の略称ではなく、部署の名前を略した言葉として使われていました。

ハイタイドは酸素が薄いので外の世界の人はオキシー(酸素供給装置)を使わないといけません。ハイタイドで育った人は体が適応しているので平気なようです。そのオキシーは元々輸入したものなので、パンを買うことでおまけとして付いてくるようになっています。マーマのパンは上手いこと利用されていたわけなのですが、ドクターにパンって温かみがあるから買ってもらえるみたいなことを言われてパイセンは満更でもなさそうでした。そういう仕組みでハイタイドに観光客を呼んでいるようです。だからといってハイタイドの秘密や弱味を知られるわけにはいかないのでパンにアッパー系の物質を混ぜてほしいとプチはマーマに頼みました。国家の運営は大変なようです。

アッシャーがハイタイドに行く時絵を買ってオキシーを入手するのですが、その絵というのが前作でプチが描いたお姫様の絵でした。何故その絵がロータイドに卸されていたのか、意味があるのでしょうか。

 

・父と子の話

今作を観てLikeAは親子の、父と子の話でもあるのかなと思いました。

インスペクターはプレミアムフロアに行きペルマネントの謎を探ろうとしますがFCに阻止されて点検係以外の新たな任務を与えられます。渡されたのはムーとは別の赤ん坊で、まさかの父親になりました。ついでに不在のバトラーの代わりにキーパーが面倒を見ていて目を離した隙にFCに回収されていたムーのことも任されます。キービジュのインスペクターの影が乳母車だった理由はこれっぽい。FCとしては両手に“荷物”を持たせてインスペクターの動きを封じるつもりのようですが、一作目からムーをよく抱いていたインスペクターには効果覿面でしょう。ムーにはバトラーがいますが、ちびスペクターにはインスペクターしかいないのでずっと親子です。

ちびスペクターはインスペクターの咄嗟の名付けなんですがこの時点ではちびスペクターは女の子だと思われておりインスペクターは完全にお父さんでした。そこから何故かカオスな空間を観させられることになるんですが「唖然」っていうのはこういうことなんだなというカオスでした。

愛らしい女性に成長したちびスペクター(橋本さん)はある男性(内海さん)と恋に落ちるのですがこの男性が成長したムーだったらめっちゃイケメンに成長します。内海さんイケメン。マーマレードボーイの娘も立派なヤンキーギャル(髙﨑さん)に成長し、家族が欲しいBBと結婚へ。そして私たちは二組の結婚式を素敵な歌を聴きながら見せられることになるんですが全然歌が耳に入ってこない。舞台上には他にも神父(前田さん)、マーマの奥さん(健心くん)、パーパことマーマ先輩(バカボンパパ)がいて途中でマダムっぽい人(今井さん)も入ってくるので目が足りない。キーパーだけがいつものキーパーでしたが歌は入ってこない。何故か最後神父とマーマママがくっ付く。

話が逸れましたが、結局ちびスペクターは男の子だと判明し、その後のインスペクターはちびスペクターを片時も離しません。ギャグが入ってはいましたがインスペクターも父性を感じているようなので今後が楽しみです。早く名前を付けてあげてほしいですがその名前を聞くのが怖い気持ちもあります。

父と子と言えばFCとペンギンがそうでした。前作でプチが海に落ちた時にFCは外の人間との間に生まれた純正ではない息子と交換という形でプチを助けていました。ハイタイドの海の底にあるロータイドに置いていかれた息子は飛ぶことのできない鳥である“ペンギン”と呼ばれながらキャブワンの働く空港のような場所でパンを売っています。前作で純正でない者の存在をFCさんが仄めかしていましたが、まさかご本人がその関係者だったとは。しかも父親。その時の彼は非純正を忌み嫌っているようでしたが、一気に素直になれないダメなパパに見えてきました。息子のことになると普段の飄々とした底知れなさは何処へ行ったのか、感情をぶちまける人間になります。

ペンギンのことに責任を感じていたプチはFCを連れてロータイドに向かいます。この時のFCさんはペンギンは「もう母親のところに行っているだろう」と言いますが、その可能性があると考えていたのだとしたらやっぱりFCさんは素直になれないパパという結論に行き着くのです。純正のプチを取り戻すため、そして自分とでは幸せにはなれないだろう息子を母親の許へ送るために二人を交換したのではないかと思えてならない。仕事と家族、どっちが大事なのかという選択。家族である息子はFCさんには大切なものなのではないでしょうか。そうでなければプチに連れられてロータイドには行かないでしょう。

結局、FCは素直になれず、ペンギンと元々ロータイドの人間であるアッシャーを交換するのではなく、アッシャー(とRもだったか)をハイタイドに置く代わりにムーとちびスペクターを差し出すと言い出します。ペンギンはハイタイドへの穴がある空港でFCを待っていたのは確実です。選ばれなかったペンギンの慟哭が辛い。ペンギンはFCと決別します。サヨナラは流れませんが、いつかFCさんには泣きながら歌ってほしい。いやサヨナラはしてほしくないんですが。それでもペンギンは最後にはキャブワンがアッシャーを介して父親に自分のパンを渡すことを止めはしませんでした。古賀くんが成長する前にFCさんとの話を進めてほしい。

父親であるマーマの台詞で気になるのは「子どもは11人」と言ったこと。最初は増えたのかと思っていましたが前作では10人“以上”と言っていたそうなので減った可能性もあるようです。マーマは今作で街の秘密を抱えることになりましたが、それ以外にハイタイドの子どもについての秘密を抱えているのでしょうか。

そしてBB。彼は最後の最後で捩じ込んで来ました。私の心の安寧は奪われた。キーパーが昔見た白い幽霊というのは幼いBBを抱いて外を徘徊していたBBの父親というのは一作目から話題に上がっていましたが、今作終盤で今井さん演じるマダム(一作目のマダムと同一人物かは不明。キャブワンとアッシャーの会話からそう思える発言がある)がBBに対してハイタイドの人間ではないという発言をします。それに対してBBは自身を抱いていた「親父」とは誰なのかと疑問を抱きます。それは自分は一体何者なのか、ということに繋がるのでしょう。

それで終わります。後は他にも色々ぶち込んで終わります。次作でのBBの精神状態に不安が一杯です。バトラーに話を聞いてあげてほしい。父親が鍵を握っているのだろうか。

最後に今作には登場しないバトラー。ムーとの疑似親子筆頭。今作でムーが純正でない子どもっていうのが確定していたかうろ覚えなんですが、ペンギンやちびスペクターの件があるのでそういう子どもが産まれるのはかなり珍しいってわけでもないのかも知れません。バトラーが何故ムーを育てているのかも語られる時が来ると良いと思っています。バトラーも何かを暴こうとして、その罰としてムーを与えられたのか。Rのムーへの行動も謎めいているので解明されるといいなあ。

 

・未来が決まっていた話

謎上塗りの時間です。終盤でBBがハイタイドの人間ではないと告げられ、舞台の雰囲気が一気に変わります。他の皆はいつも通り働き出しますが不意に誰かが誰かに耳元で囁いて、皆で呆然と立ち尽くすBBに視線を向けて見詰めます。此処からの照明の使い方がエグい。皆がBBの出生の秘密を知っているのか。それにしてはBBが「親父」のことを尋ねた時のインスペクターは普段通りに見えましたが普段通り過ぎて少し可笑しくも感じました。

その後地獄絵図みたいな光景を見せられることになります。ハイタイドにいる人間が苦しみ出す、ように見えてたんですが地震が起こっているようにも嵐に襲われているようにも見える。とにかく只事ではない様子で舞台上を蠢き出すハイタイドの面々。ロータイドの人間であるペンギン、キャブワン、アッシャーは普通の様子だったので何かがハイタイド、ペルマネントで起こることは間違いありません。その間もBBは客席に背を向けて不気味に佇んでいるだけです。自身が何者なのか分からなくなったことがそれほどの衝撃なのか、それともBBもハイタイドには居ないのか。

「これは○○に至るまでの話」とかそういうのを先に登場人物が言う手法っていうのをよく見かけますが、LikeAもそれでした。キーパー本人が言います。「これは僕がハイタイドを追い出されるまでの話」。その後も他の人が○○な話と言っていたんですが最初のキーパーのインパクトが強すぎてうろ覚えです。小さな檻、壊す、塗り替えるみたいな単語が聞こえた記憶はあるんですが、とにかくこれからペルマネント、あるいはハイタイドそのものに待ち受けているものは不穏なもののようです。死ぬのか誰か。

キーパーの言葉を聞いて、LikeAは三作やって漸く序章が終わったところなのかもしれないと思いました。あと何作続けば謎が解明されるのか謎です。

 

色んなことが起こって胸が一杯。でも一回観ただけじゃ理解できません。もっと観たかった。

以下は各登場人物と役者さんの感想です。

 

・BB

私の苦しむキャラが好きセンサーが目を付けました。終盤のBBの絶望感は辻さんの演技と演出が極まっていて怖かったです。最後、過去二作ではバトラーがペルマネントの看板を持ち背後の壁に文字の影を映して物語の閉幕としますが今回はその役割をBBが担っています。赤い照明の中無表情のBBがそれをやります。怖い、ライカってホラー作品だっけと思いました。最初の頃はごみのカート楽しそうに押してたのに。ごみのカートに体重掛けながら移動している姿が無邪気で好きです。

前作ではあまり本筋に絡んでいなかったのでどちらかと言えば作品の謎に対する中心人物にはならないのかと思っていたらそんなことはなかった。考えが甘かったです。

周囲で何かが起こっているけれど何も知らない自分にこれでいいのかと思い始めたところでマーマに何も知らないままで良いと諭されたのが印象に残っています。その後あんなことになったわけですが。彼が真実を知っていくのか、それとも知ることをやめてRに言ったように今を受け入れるのか、動向が楽しみでならないキャラになりました。

前から思っていましたがやはり辻さんは肌が綺麗でした。鼻の筋がはっきりしていて作り物みたいな美しい顔でした。

 

・インスペクター

プレミアムフロアに興味を持っていたのはアッシャーの影響を受けただけってことでいいのでしょうか。彼こそ出生に秘密を持っているのではと思っていましたが意外と一般人寄りなのかもしれない。掴めないと思っていたけどちびスペクターの存在で人間味が増した感じがします。

ちびスペクターが男の子だと分かって自分が用意したおくるみが女の子用だったのでごめんと謝る時のインスペクターが完全にパパだったのでSHUNさん演技凄いなってなりました。ただのラッパーではない。真正面から見た酸欠スペクターがイケメンでSHUNさんかっこいいってなりました。

 

・キーパー

最初のとち狂ったテンションは色んな意味でどうしたと言いたい。終盤の彼を知った今となってはあのとち狂った真ん丸な目をした中谷キーパーが恋しいとすら感じる。鉄ミュで言うとジュニアみたいなとち狂ったテンションをしていましたがバトラーがムーを預けて頼ってくれたことがそれほど嬉しかったのでしょうか。こんなに顔芸しているキャラだったっけ。バトラーの真似しながら歌うところとかヤバいです。その後バンドみたいなもので拘束されたままカート押して去っていく時の尻に目が行く。

彼は今作一貫して知るべきでない変わるべきでないとBBやインスペクターたちを真実から遠ざけようとします。つまり彼は知るべきではない真実を知っているということになるのでしょう。一作目のマダムであろう人物が再登場しますが、恐らくその人はアッシャーやキャブワンたちと同じ場所にいた「伝説の男」だと思われるのでそのマダムに真夜中のルームサービスをしたキーパーはハイタイドの真実を教えられたのかもしれない。あとBBの出生の秘密も知っているようです。

ハイタイドを追い出されるようですが追い出され方にも色々あります。取り返しのつかないことをしたのか、誰かが彼のことを想って追い出したのか。色々ありますが結局追い出されることに変わりはないので辛い。

 

・アッシャー

前作ラストがああだったのでHotel Permanentの時にシリアスに出て来たと思ったら後ろの方でマーマ、プチとアルプス一万尺やってておいってなりました。

キャブワンの先輩にあたるキャブスリー。ドアマンの格好よりキャブワンと同じ制服を着ていることの方が多かったです。帽子が大きいのか鍔を斜めにして被っているのがちょっと可愛い。前々からハイタイドに潜入する機会を窺がっていましたが、プチが落ちてきたことでハイタイドに繋がる穴を見付けて喜び勇んですっ飛んでいきます。浮かれていたためプチのことが目に入っておらず、その結果前作で自分の正体がばれる。キャプテンRはキャブファイブであり真面目な先輩だったのでアッシャーを捜してハイタイドに向かい記憶喪失の振りをしていた、というのがどうやら真実のようです。アッシャーが仲間だと浮かれて声を掛けた結果Rの正体がばれてプレミアムフロアに軟禁される。前作終盤ではかなりのシリアスキャラで優秀そうに見えていましたが意外とアッシャー抜けてる先輩な気がしてきました。ドジっ子か。

髙﨑さんと言えばマーマの娘役で登場するんですがその時のスカートから覗く足が長過ぎた。ブロマイドでも足が長い。

 

 ・プチ

前々から思っていましたが健心くんは懐に抜き身のナイフ隠し持ってるタイプですよね。何を仕出かすか分からないと言うか、澄ました顔で何か仕出かしてくると言うか。BBとドクターが真面目な話をしている後ろでマーマパイセンの尻に顔を埋めた時はどうしようって思いました。あと「狼になります」と宣言する場面があるんですが、そことは全く関係ないところで彼は狼になります。唐突にぶっ壊れる健心くん嫌いではない。

プチとしては彼は優しかった。彼は自分の身代わりになったペンギンに責任を感じていて、彼を助けるためにFCに意見します。FCの言いなりなのかと思ったらちゃんと自分の意志があり、その意志がペンギンと延いてはFCのために働いているものなのが良いですね。今後もペンギンのことを想うのでしょうか。

終盤のトラウマソング・Hotel Permanentの時はファイルを思い切り床に叩き付けるのですがその時の音がかなり大きくてホラーな感じを増長していました。

 

マーマレードボーイ

前作のクズっぷりが薄れて面倒見の良い先輩でありパパな成分が増しました。パイセンも父親になって丸くなったということでしょうか。ドクターとの相性は最悪ですが掛け合いは最高です。今後面倒見の良さをドクターに発揮してくれるのではないかと期待しています。

俺は殺しはしない、と即否定する姿が格好良かったです。ただしそれは間接的に、という意味だった若かりし頃のマーマ先輩が頭を過りますが、家庭を持ち自分のために生きることができなくなったいまはその辺りどうなのでしょうか。好奇心に抗えず街の真実を知ることになりますが、終盤それが彼にとって重荷になっているような描写もあったので後々えらいことになってくるのでは。でもマーマを追い詰めそうなFCさんがかなりの人間味を発揮してラスボスっぽさが薄れたので無事にファイナルまで辿り着けるかもしれない。

鎌苅さんはアニメエア・ギアから存じ上げていたのですが、ライカで初めて声優ではなく役者の鎌苅さんを見ました。圧倒的場慣れ感が凄かったです。アドリブが惨い。変顔がヤバい。地獄の結婚式のストップモーションの時に客席に向かってずっと変顔をしてくるんですがほぼ真正面に座っていたので辛い。許さないでも好き。

 

・ドクター

私のイケメンセンサーがブロマイドを買わせました。内海さんはネジを飛ばせる方のイケメンでした、とても素敵です。

ドクターという名称はスレイジーでも出てくるので繋がりを期待していたのですが今のところ直接の関係性は無さそうです。ドクターこと本名コーナーくんはBBたち幼馴染ズの同級生で卒業するまでバトラーに成績で勝つことができませんでした。卒業式、双眼鏡か何かを覗いてバトラーを見ているドクターの背中ががり勉感満載で面白いです。その時代にBBの飼っていたひよこを盗んでいたのですが、それを本人に暴露して突き付けた言葉は何となくBBの真理を突いているのかもしれません。ひよこが居なくなった時誰も何も言わなかったように、街の誰もBBに興味が無い。意図的に関心を向けない。そうされる理由がBB自身にあるのか、あるいは父親にあるのか。

ドクターはクールキャラかと思えばそういうわけではなく、ですます調のインテリっぽい人でした。マーマを振り回しまくり話も遮りまくりますが、二人きりだとそういうわけでもなく強がっているだけだったっていう私の心の端っこの柔いところを引っ掻いてくるツボキャラでした。

コーナーくんの過去を掘り返される時の発狂具合であったり、マリオの出来損ないみたいなジャンプを突然して鎌苅さんにツッコまれたり、狼になったプチと吠え合ったりと、内海さんのネジの飛ばし具合がとても好きです。

 

・FC

ちゃんと人間だった。これに尽きるような掘り下げでした。

スレイジーでQも言っていましたが言葉はブーメランで、FCさんもブーメランしてましたね。キーパーに対して言った一度捨てた子どもを育てる資格はないみたいな台詞とか。

ペンギンの腕を掴んで引っ張ってくる時の険しい表情がすごく好きです。その時の見た目はどう見たって完全に父親と息子。私はFCさんは本心からペンギンを嫌っているわけではないと思っているのでどうしてプチと自分の息子を交換したのかを考えるのが苦しいんですが楽しい。FCさんの上にもXみたいな人がいたらもっと楽しい。

それにしたって駄目なパパでボロボロでした。帽子が落ちるほど頭を振り乱して声を荒げる様は迫真です。言ってることは言い訳というか自己肯定というかでしたが。ペンギンが生まれたのは外の世界の女性と子どもを作ることでどうなるのか興味があったからというような理由だったと本人が語ります。そこだけ聞くと割とクズなんですが、ペンギンに対するFCさんの言葉は殆ど本心を隠していると思うのであまり信じられません。でも生まれた理由は本当で、その後まさか息子に対して情を持つとは思ってなかったとかはよくあるパターンでそれだけで楽しいですね。

もっとFCさんにはボロを出してほしいと思うし、ペンギンと和解してほしいと思うんですが何となく死亡フラグも感じてしまったので生き残ってほしい。

ある場面で籠からパンを落としてしまうんですがその時の口から漏れた笑いはFCさんでなく完全に平牧さんでした。その後誤魔化すように中谷さんの口にパンを押し付けて「食べるな!」とキレる理不尽さ。FCさんが持っているパンっていうのはガチの本物らしく結構欠片が舞台上に落ちるらしいのですが、確かに落ちていました。割と大きめの欠片が。確かに中谷さんがおかきと間違えるのも分かる。

 

・ペンギン

今作はペンギンのシーンから始まります。キャブワンを知ってる知らないの会話は何だか奇妙でした。プチが落ちてペンギンが代わりに置いていかれた時、キャブワンはその場に居合わせていて二人は確実に面識があります。初対面のような会話が不思議です。ペンギンは空港でパンを売っていますが、初めの内はそういうわけでもなく別の所に居たのでしょうか。

ペンギンは本名ではなく、上に行きたくても飛べずにTORIにいる子だから付けられた名前です。名前を付けてくれる誰かしらがいるようですが、ミスティックの姿が浮かぶ。キャブワンの人指し指の第二間接が好きとかマニアックな好みはジーズさんを思い浮かべてしまいます。

パンを売りながら空港で彼は父親を待っていたのだと思います。口調は背伸びしてますがキャブワンとの会話の中で浮かべる笑顔が子どもっぽく可愛らしい。だからこそ自分を選ばなかったFCへの絶叫が聞いていて辛かった。必死に否定していたんでしょうが、FCにとって自分が最下位であると確信してしまうとか子どもには辛すぎます。過去のペンギンはFCと暮らしていて、父親のためにおつかいに行く生活をしていて、FCをパパとして慕っていたことが分かるのであの場面はかなりの落ち込みポイントです。ペンギンにキャブワンという相棒がいて良かったです。

古賀くんは可愛い。写真に写る時目と口が必ず真ん丸なのが可愛い。ジュニアの大森くんは幼くて素朴な可愛らしさがありましたが、古賀くんは可愛らしさの集合体みたいな可愛らしさとペンギンとしての体の動かし方が可愛い。余談ですが大森くんのPatient of Loveめっさ可愛いのでスレイジーの4観てください。

いつか笑い合える日が来れば良い親子。

 

・キャブワン

俺っていいそうなキャラが僕っていうギャップが堪らない。キャブワンもそういう人で、しかも後輩キャラでした。先輩二人を待っている後輩です。ペンギンとは待っている者同士。空港では数字が大きいほど偉いようで、アッシャーことキャブスリーはキャブワンの先輩にあたり、キャブワンは彼の奔放さに振り回されて苦労していたようです。

キャブスリーを捕まえるために持ってきた網を歌終わりに舞台袖に返しにいくのですが衣装の袖のボタンに引っ掛かってしまいそのままの状態で「先輩の所為でこうなりました」とUターンしてきて笑いました。しょうがないなと冷静に取ってあげる髙﨑さんと無事に取ってもらえて「返してきます」と舞台袖に向かう前田さんに笑う。

仕事には忠実だけど冷徹ではなく、ペンギンに対して最初は兄的存在になるのかと思っていたのですが実際は対等な相棒になってくれました。泣き叫ぶペンギンを抱き締めた時はぐっときました。真面目なので自分の意志でハイタイドに戻ることを決めたキャブスリーを送り出します。キャプテンRことキャブファイブも真面目な人のようなので間に挟まれたキャブスリーにはもっとしっかりしろと言いたい。

 

・ベル

石賀さんが唱えたちろさん黒幕説もあながち間違いではないのではと思い始めています。根拠は無い。

今作ではベルが個として喋ってくれて嬉しい。バトラーの代わりにムーの面倒を見ながら泣いているらしいのですが、怖いお姉ちゃんがいて苦労したバトラーが立派に子育てしていることに感動して泣いているらしい。そしてムーに慰めてもらっている。突然のキャラ立ちに黒幕疑惑が浮上しますが心優しいベルのまま行ってほしい。

まさか今回橋本さんの女装が見られるとは夢にも思っていませんでした。成長したちびスペクター役でトップバッターで登場してくれるんですがめっさ可愛い。橋本さんのあの目をこれでもかと細めた笑顔が好きなんですよね。でも足はちゃんと男性でした。

 

・ポーター

 ハイスクール時代、まさかのBBより成績が悪かった。それでもBBより出世してるので世の中頭の良さじゃないんですよ。

ベルとポーターのキャラが立った今作ですがそれが何を意味しているのか楽しみであり恐ろしくもあります。終盤のBBショックの時にキーパーやインスペクターに囁き掛ける側なのがこの二人なので一体どういう立ち位置に納まっていくのか気になります。

イカでの今井さんと言えば女装だと思うんですが今回もばっちりでしたね。しかもその時間が人一倍長いというか、マダムというもう一つの役を演じているというか。今井さんの女性の演じ方が生々しくて好きです。足を大きく広げる場面があるのですが見えそうで見えない。網タイツが破れていたと同行してくれた友人が語っていました。ちょっと見たかった。

 

新宿FACE

辿り着けるか不安だったんですが新宿駅からほぼ真っ直ぐ進めばいいだけだったので無事辿り着けました。劇場はヒューマックスパビリオンの7階にあり、開演1時間前まではエレベーターが止まりません。なのでスタッフさんが来てくれるまで1階で待っているしかないのですが事前に知恵袋とか見てなかったらあわあわしていたと思います。あとゲームセンターのお兄さん詳しく教えてくれてありがとう。

パイプ椅子は尻が死にます。低反発クッションを持参しましたがどれだけ舞台が面白くても尻は痛い。

1列目は滅茶苦茶舞台上との距離が近いんですが首は痛くならない絶妙な高さで良かったです。役者さんがジャンプして着地した揺れとかが響いてくるし、舞台袖でがちゃがちゃしてる音もよく聞こえました。

目の前をアッシャー、インスペクター、プチが通っていって嬉しい。

 

・まとめ

Hotel Permanentを生で聴いた瞬間、鳥肌が立ちました。ぞれだけで満足。

開演前の物販ではランブロが販売されていなかったのでちょっとショックを受けながら、ベルのブロマイドを譲って下さった方感謝しております。終演後には販売していたのでちゃっかり並びました。ツーショットが出ない。

三浦さんの脚本やキャラが好きなんだなとしみじみ思いました。LikeAの続編を心待ちにしています。

薄ミュについて語りたい

私がミュージカル『薄桜鬼』に出会ったのも職場の後輩が勧めてきたからなんですが、初めて観たミュージカルが鉄ミュっていうヤバいやつ(でも好き)だったので私の中でミュージカルの定義が少し可笑しくなっていました。そんな時に出会ったのが薄ミュです。

過去、乙女ゲームにどハマりしていた時期があったのでプレイしたことはなかったんですが原作ゲームのことは知っていました。アニメをリアタイでちらちら観ていたので、遊んだことはないけど大体の話の流れとかは知っている状態でした。歴史物の性かもしれませんがアニメでも主要キャラばっさばっさ退場していくので乙女ゲー舐めてたと思いました。TV版沖田さんの散り様は凄まじい虚無感を得られます。

主人公に対して私は自己投影するのではなく完全にひとりの登場人物として見るタイプなので、乙女ゲーはノマカプ好きとしても非常に楽しい世界なんですよね。個人的に好きな主人公はコドリアのカルディアと白華の詞紀です。

薄桜鬼についてはプレイしたことがないので主人公である千鶴のビジュアルが可愛いと思ってもそこからノマカプ萌えに発展することはありませんでした。沖田さんの頭がヤバそう、でも人気ありそうというのが第一印象。

そんな沖田さんを薄ミュで演じているのが廣瀬大介さんだったので、後輩に勧められるままほいほい買ってしまいました、沖田篇。まさか私のツボを突いてくる作品だとは思ってもいませんでした。

以下、各作品の円盤視聴の感想です。観た順番に書いています。観ていない作品もあります。全体の感想と見せかけて殆ど千鶴ちゃんとお相手のことしか語っていませんがネタバレにご注意ください。

 

 

・いいなと思うところ

薄ミュで私がいいなと思うところはそれぞれの主演キャラに対して「千鶴」がいるところなんですよね。必ず演じる役者さんが変わるので、千鶴は千鶴でも同じ千鶴ではないんですよ。それぞれ個性があるんですよ。そしてその千鶴と主演キャラがお似合いなんですよ。そのキャラにはこの千鶴ちゃんじゃないと駄目って思えるくらいぴったりなんですよ。

舞台パルマは原作プレイヤーに凄く気を遣っている印象を受けましたが、薄ミュはえらい挑戦的です。抱き締めたり口付けたり押し倒したりします。原作に沿っていると言えばそうなんですがキャラが好きな人役者さんが好きな人に挑戦的だなと思う。ただ志譚を観ると大分抑えめになってるので一作目が2012年だと思うと時代の移り変わりを感じます。

 

・沖田篇

初めての薄ミュ。まさか刀ステで私を一期一振沼に引き摺り下ろした廣瀬さんがあのヤバい沖田さんを演じているとは夢にも思っていませんでした。そしてヤバさでは沖田さんの上を行くと思っている南雲薫をまさか鈴木拡樹さんが演じているとは。あの鈴木さんがこんなところにぽんっと居るんですよ。しかも演歌歌いながら。

原作沖田さんは着物の下から覗く胸元とか見ると割とがっちりした体格のイメージなんですが、廣瀬さんの沖田はひょろっとしていて細い。結核を患っているのも納得のひょろっと具合。お腹周りにタオルを詰めているらしいひょろっと具合です。

沖田篇は千鶴がよく歌っている印象です。歌いながら沖田に自分の気持ちを伝えようと頑張っているのが健気で可愛い。徐々に心を開いていく沖田さんも好き。あと千鶴はノリも良いので演歌も歌ってくれる。その時の沖田の反応とかライブでのお節のやり取りとか見ていると沖田さん油断してたら千鶴の尻に敷かれるなと思いました。

山本さん演じる千鶴は芯が強そうだけど儚い。沖田は強いのに儚い、ぽきっと折れそうなくらい儚い。そんな儚いふたりは辛い目に遭いながらもそれを乗り越えてずっとふたりでいよう、というところで話は終わるので私は「絶対幸せになれよ……」と胸を締め付けられながらふたりのことを応援しています。

後半の怒涛の展開からのエンディングは正直最初は完全に置いて行かれて「え、これで終わり?」とその後彼らがどうなったかを観たくて見たくて仕方なかったのですが、想像ができるからこそ沖田篇は良いのかもしれません。私は推しキャラが苦境に立たされる展開が好きですがそれでも最後には幸せになってほしい派なので彼らには病気も羅刹も乗り越えて幸せになってほしいと思ってますが、別にそれ以外の結末があっても良い。何と言っても彼らふたり儚いので。でも幸せになってほしい。

 

・原田篇

 とんちゃんが左之さんだとお、買うっきゃない。そして私は此処で磯部さんという最推し千鶴に出会いました。めっちゃ可愛い。演じ方も動き方も愛らしい。歌い方は独特で普段より大人びて見えるのも素敵。M2「千鶴」は聴く価値あり。千鶴がお辞儀をした際に反応してくれる近藤さん新八平助がらしくて良い。

原作をCERO:Cにした男・原田左之助の物語は希望に満ちた形で終わります。原田は変若水を飲まないので羅刹化しません。毎回ちょっと楽しみにしている吸血シーンは無いけどひとりの男として千鶴を守ってくれます。演出の毛利さんもカテコの挨拶で「原田篇はミュージカル化するのは難しいのではないかと思っていた」みたいなことを言っていましたが、確かに羅刹化とそれに伴うイベントの数々はかなり美味しいと思います。原田篇はそれをどう乗り越えるかって部分が難しかったのではないかと思っています。あとは結末に繋がるあるシーンをどう扱うかとかもあったのでしょうか。

そのシーンもカットされることなくちゃんとありました。とんちゃんの長い手足が横たわるとちょっとドキドキするじゃないか。あと千鶴が何処までも可愛い。体格差・身長差がドツボです。左之助さんが引っ張って千鶴が膝の上に座るシーンとか体格差がはっきり分かってヤバい。

沖田篇が「この後はもうずっと幸せになってくれよ」って話なら、原田篇は「良かったね、お幸せに!」という話です。圧倒的ハッピーエンド感。左之さんは自分の夢叶えたし、左之さんがいたら千鶴は大丈夫。

刀ステ虚伝の時から思ってましたがとんちゃんは歌うのが好きなんだろうなと思います。彼はとても楽しそうに歌ってくれる。

余談ですがこの原田篇から斎藤役を納谷君が演じています。納谷君が斎藤さんだと。私は納谷君の斎藤篇が観たい観たいと後輩に言いまくっていました。彼が斎藤篇をやったら私はふふってなる自信があるんですが、これは褒めているんです。私は納谷君の運動神経の良さとバクステでの映りたがりっぽいところが好きです。残念ながら彼は卒業してしまいましたが彼の斎藤としての成長を原田篇→志譚土方編を観て感じてほしい。

 

・土方篇

まさかモコナの美香さんをこんなところで見られるとは。個人的に土方篇は薄ミュの一つ目の集大成だと思います。皆に見せ場がある。そして矢崎さんと美香さんが完全に土方さんと千鶴。恐るべき安心感と安定感。私が待ってた洋装千鶴。

前半は土方さんの回想という形で千鶴との出会いからの出来事が語られ、後半は逆に千鶴の回想として、そして千鶴と土方さんの再会で現在の話が進み出すという展開が好きです。また大鳥さんが良い味出してる。薄ミュの良心だと勝手に思っている。千鶴との歌が好きで、あの時の前内さんの千鶴へ向けるいい人オーラ全開の優しい眼差しと微笑みが堪らない。

美香さんの千鶴はいじらしい。健気に土方さんを追い掛けます。土方さんは頑なに突き放す。絆されてるのに大事だから傍に置かないタイプ。千鶴頑張れってなります。

そんな土方さんが自分の気持ちを認めて千鶴に伝えるシーン。歌も素晴らしいですが、表情とか所作とか身長差とか背中に回した手の位置とか完璧です。私はこの瞬間を待っていたんです。ちなみに後輩はこの時の矢崎さんのボルテージが徐々に上がっていって爆発する様が好きだそうです。

後輩が入室時に「失礼します」と言うと私がハンケチーフを取り出すという流れが一時期流行るくらいに土方篇の影響は大きく、完成度が高い。

 

・藤堂篇

感情と感情をぶつけ合う平助と千鶴は年齢が近いこともあって他の人たちとは関係性の雰囲気も違います。タメ口だし千鶴も「平助くん」呼び。呼び捨てじゃなくてくん付けなのが良い。千鶴が後ろに控えてるというよりは横に並んでる感じ。

平助役の池田さんは感情を乗せて歌うのがうまいなあ。泣き演技も素敵で人間に戻れるとは思えないけど千鶴は信じられるってとこの演技は完全に平助が泣いています。

千鶴はハスキー千鶴で田上さんの少年っぽいけどちゃんと女の子な千鶴が素敵です。あの声が好き。お千ちゃんが女性らしいのに対して千鶴は男装をして生きているというのが対比っぽくなっていて好きです。平助が見たがっていた振り袖姿をあの場面で見ることになるのが切ない。

平助は初期に羅刹化し、途中血に狂いかけてそれに平助自身が怯えたり自暴自棄になりかけたりと過程は結構辛いんですが色んな人が支えてくれます。まさかの鬼サイドが仲間になりますがそういう展開好きです。熱い。

山南さんと風間はルートによって立ち位置が右往左往するのが薄桜鬼名物っぽくて好きなんですが、土方篇でラスボスとして君臨した風間が今回は味方となり、対して圧倒的策士として見事に散った山南さんが今作のラスボスとして立ち塞がりますが平助に袂を分かたれた時の呆然とした山南さんは絶対的悪ではないことが分かります。味方さんの表情作りはうまいなあ。

風間は千姫との絡みで格好良さが増していると思います。風間の血を飲み千姫が正気を取り戻すシーンは千鶴には平助がいる藤堂篇だからこそできたものなのではないかと思います。風間、おいしいとこ取りです。風間と千姫の歌がとても素敵。

 

・風間篇

満を持しての風間篇は過去三作(斎藤篇、沖田篇、土方篇)とはテイストが違います。異色な雰囲気です。千鶴役の富田さんの歌唱のガチ度が異色さを際立たせているのかもしれないと思っています。

新選組はどんどん死んでいき、土方さんも風間に引導を渡され、千鶴がひとりだけの状態で舞台の幕が下ります。風間と一緒にいることを選ばない。まさかの原作ノーマルエンドに辿り着きます。見ようによっては千鶴がまだこれから風間と一緒に幸せになれそうな希望を見出せそうな気がするんですが初見では無理でした。私のノマカプ好きな頭がそう考えているだけで、千鶴の「悲しいことを繰り返さないために人間として生きる」という意志は固そうだとも思う。

どうしても私は風間篇のラストに対してほくそ笑んでしまうのですが、理由としては作中あれだけ一緒に居たのに風間より人を選んだ千鶴、そして最後の最後であっさり千鶴の意志を尊重して身を引き良い男っぷりを見せ付ける風間がそこに同時に存在しているからなんですが気持ちは、気持ちは分かるんですが「分かった」じゃないよ風間さんってなります。

鈴木さんの役作りはまず原作風間の低音ボイスを真っ向から否定していて初めて観た時はびっくりしたものです。声高っと思いました。でも今となっては薄ミュの風間はこの声で良いんだと思っています。ストイックエピソードも好き。ちなみに母親も薄ミュの中では鈴木さんが一番好きらしく、卒業した事実を今も受け入れていません。ただし佐々木さんのことは刀ステ時代からヒデと呼び愛でているので認可している模様。

 

・志譚土方篇

刀ステで私の腹筋を崩壊させたまーしー(公式愛称はりんりんらしい)が土方役で主演か……。その事実に後輩の腹筋が崩壊しそうな気配がありましたが、確かに和田さんはギャグの印象が強かったのでシリアスな土方を演じているのを観たら面白くなるんじゃないかと私も少し思いました。

結果的には和田さんは確かに土方でした。どんどん土方に見えてくる。カテコで涙する姿を見て、初リメイク版の主演を背負うっていうのは大変だったんだろうなと思いました。悲伝のドキュメンタリーとかも観ていて、和田さんは熱い人だなと思う。

森さんはとても淡々と千鶴を演じるので、熱い男演じるクールな土方さんと絶妙なバランスを取っています。シンプルなキャラクターになった千鶴が何だか癖になるんですよね。森さんはコメントも淡白で好き。

志譚土方篇は土方篇のリメイク版みたいなものなので殆どの流れは同じなのですが、演出に西田さんが入ったのでシーンごとに色々と変わっています。魅せたい部分とかも演出の人によって変わってくるんだというのが分かりました。千鶴の洋装初登場シーンも上手いこと盛り上がりに使われていて好き。大鳥さんと土方さんの握手がカットされていて残念。

風間戦後に土方さんが辛そうに倒れて千鶴が膝枕し出した時はアニメ版ラストが蘇り「それだけは……それだけはやめろ」とビビりましたが無事にハッピーエンドで良かったです。今後も油断はできないなと思いました。

これだけは言いたいのが沖田さんがちゃんと体に肉が付いているところ。

 

・斉藤篇

初代にして一番の問題作なのではと思っている斉藤篇。風間篇は異色と書きましたが、こちらはこちらでちょっと他と次元が違うところにいる。シリアスなど知ったことかと挟み込まれるギャグシーン。思い出したようにぶち込んできます。違うそこは真面目なまま行ってくれと何度か思った。

斎藤役松田さんはこの作品が初出演初主演らしくて圧し掛かるプレッシャーは凄まじかっただろうと思います。髪の毛先から滴る汗が凄い。その汗から色んなものが伝わってくる。その後の舞台とかで松田さんを見ると全然違うので人とはやはり成長するものなのだとしみじみ思います。ライミュの時点で松田さんの斎藤は美しさのパラメータが限界値突破してると思っています。でも少しぎこちない初代斎藤さんも好きです。

まさか二回目、ハル役の吉田さんが出演しているとは。吉田さんの千鶴はたまにあほの子になるのはやめてくれって思うんですがそれは置いておいて、斎藤さんにそっと寄り添ってくれるでしょう。桜の花弁を下さいと言うシーン、声の演技が可愛らしすぎますね。

シリアスな部分はシリアスだし、斎藤さんと千鶴の歌は切ないけど素晴らしいのですが、それと同時に存在する異次元感。記念すべき薄ミュ初代作品ですが円盤で追い掛ける人が最初に観るべかというとどうだろうかと思う作品。

 

・おわりに

薄ミュはライブまでやってるんですが、そのライブの一作目には過去三作の千鶴が全員出演しているのでそれぞれの相手とのやり取りが見られるわ歌が聞けるわ良いこと尽くしです。楽しい雪村一家と大鳥さんも見られるのでオススメ。

薄ミュがこの世に生み出されたことに感謝。

【感想】ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』~すべての路は所沢へ通ず~

死ぬまでにみたいのが鉄ミュととんちゃんだった私は鉄ミュの先行販売(先着)に挑戦しました。別の舞台ですが後輩のために先着チケットを取ろうと奮起し惨敗した過去のトラウマが蘇りましたが無事にゲットしました。あと後輩もその舞台には無事に行けてます。

5月15日(水)ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』~すべての路は所沢へ通ず~を観劇しました。品川へ。まさかこんな理由で東京に行くとは思っていませんでした。ミュージカルのミの字も知らない友人が同行してくれる。めっちゃ良い人です。その感想です。曖昧な記憶とネタバレにご注意ください。

 

 

会長万歳! 

まさかの西武スピンオフ。発表された時は目を疑いました。え、こんなにヤバい青い服の人たちっていたの? 原作は読んでいなかったので西武グループ西武池袋線が一杯いる。でも2で出て来た西武新宿線はイケメンでまともそうだったなあ。そんなイメージでした。結論みんなヤバいグループだったわけですが。新宿も立派な西武グループでした。

 

・三作目で気付いた

東武東上という狂キャラが大半を占める一作目、ホームズとかおじさんとか上半身とか出てくる二作目に対してはあまり感じなかったんですが三作目で突然食べ物のリレーが始まるオープニングを観させられて「ヤバいなこの作品」って思いました。まずリレーの戦犯は歌いません。歌いながら食べているので歌えていません。でも円盤収録日はまだ歌っている方らしい。

ヤバさに気付いていたので心構えはしていました。相手は西武グループ。絶対あるであろう会長万歳コールアンドレスポンスの練習も完璧です。友人にも予習してもらいました。

 

・ミュージカルを観に行ったつもりが宗教の集会に参加していた

これみんな言ってると思うんですが真理なんですよ……。私は確かに2.5次元ミュージカルを観に行ったんですがそれは宗教の集会だったんですよ。会長と言えば万歳と叫ぶ。それが最初から最後まであります。歌の最中だろうとあります。手拍子をさせてくれない。照れれば怒られる、そんな空間が存在していました。

それ以外にもコールアンドレスポンスがあるんですが「いまなのか?」という空気が流れることがありました。それを察して客席を促す西武グループの視線が好きでした。その時の西新の橋本さんが超イケメンでした。

そして西武秩父の滝口さんの客席への対応が手慣れている。説明し難いんですがコールアンドレスポンスの時の表情とか動作が此方の心を掴んでくるんです。存在感がありました。若手の人は油断していると喰われるような存在感の強さがたっきーにはあります。

約2時間、会長を崇め奉る西武グループを見ていれば自然と入信すると思います。観劇直後、後輩に「入信しました」とラインしたのは言うまでもないことです。

 

・絶対に書いておきたい座席のこと

会長のお導き席には敗北を喫しましたが無事に指定席のチケットを手に入れました。1階7列目だったのですが事前の調査による予想通り最後尾でした。その背後に一段上がったテーブル席みたいなのがあるので背後が壁、左右が柱とテーブル席のちょっとした階段という形。そして目の前には人ひとり通れる通路がありました。1列目から6列目には存在しない通路です。

開幕後、西武池袋以外は会長を捜しながら客席の扉から現れます。とにかく会長を捜し回る。声が野太い。そんな中右方から大きい声が聞こえる。よく見ると青い服着た誰かが近付いてきている。そう、7列目の目の前には人ひとり通れるスペースがあるんです……!

凄まじい勢いでその人は目の前を通過していきました。しかも握手もしてくれた。私は人の顔を覚えるのが苦手なので始めて見る役者さんの顔を覚えておらずその時は「誰!?」っていう感じだったのですがそれでも手は差し出して握手してもらった。あれは恐らく西武西武園線でした。

観劇直後のツイートは西武園線のことで頭が一杯。

 

 ・落馬したと見せかけて大穴

西武スピンオフは宗教ですが、西武安比奈線西武新宿線の話でもあります。見てほしいのは二人の身長差と安比奈の笑い顔。安比奈、そして渡辺さんの笑顔がとても素敵です。好きです。上記ツイートの通り私は今回の観劇で完全に渡辺さんに落ちているんですが、落ちる前に安比奈のブロマイド自発的に揃えているので何か会長のお導きがあったのだろうと信じて疑っていない。ランブロ譲って下さったお姉さんありがとうございました。

ちなみにこのツイート、公演中エゴサをしているご本人にいいね貰ったので、握手会ワンチャンありますよね。

 

 ・レオライナー

何故15日の公演を選んだかっていうと、この日のレオライナー田中涼星さんだったからってのが大きい。生の涼星くんは長かった。デカいじゃなくて長いと思いました。そしてレオの着ぐるみ着てあの人畜無害そうな笑顔浮かべているので可愛らしいなあと。劇中でレオライナーは喋らないので前説を担当します。最後のタイトルの部分で噛む田中涼星さんが好きです。

前説で本人が言っていた通り劇中で彼の声が聞こえたのは一回だけでした。しかも人語は話さないので鳴き声。最後のダンスでは長い手足をばたばたさせてて可愛かった。

 

 ・好きな部分諸々

・恐らく台詞を飛ばした西武有楽町に「何言ってんだ!」とツッコむ安比奈。謝らせるばばりょと滅茶苦茶謝るゆずらくちょう。

・服のベルトが取れてそれを直すばばりょ。

・遅れて来た人に頷くばばりょ。

・レオにプロレス技を決める安比奈。

・ロボットダンスが上手すぎる西武豊島線。

・ばばりょに足持たれて回されてそのまま腹筋で上体を起こす西武多摩湖線。そして息切れしてへたるばばりょ。

・ずっと口角を上げている西新。

・殴られてアクロバットする西新。

・客席からはける時の歩き方の癖が強い西新。胸張って腕L時のままめっちゃ振ってる。

・手押し相撲でキスしそうなばばりょとゆずらくちょう。

・結婚する西新と安比奈。

・鯨井本線。

 

 ・まとめ

好きなところ多過ぎ。西武グループによる西武グループ延いては会長のための舞台なので基本誰かがメインの話でも後ろで他の人たちがわちゃわちゃしていて目が足りません。円盤には是非全景映像を収録して頂きたい。

観劇した日は東海道本線などが遅延し、その影響で開幕直後は客席も空席が目立ちました。本来カテコでは日替わりで二人だけが出て来て挨拶をするようなのですが、遅れて来た人のために特別に(たぶんゆずらくちょう以外の)全員が出て来てくれました。その時最初にばばりょが何かして、次に西新がイケメンアクロバットを決め、最後に対抗した安比奈がでんぐり返ししてお面を飛ばすという素敵な流れを見させて頂きました。

あと東武東上は出ていないんですが、出て来ます。そこに存在しています。

プリンスホテルに泊まろうっていう歌が中毒性高い。「泊まるー!」ってなりますし実際泊まりました。

ミュージカルでありショートコント集であり、原作を読むと全然キャラが違うキャラもいるし西武グループに至っては殆どのキャラの性格付けを役者さんに任せたっていう原作者さんのエピソードを見てヤバいなって思うヤバい作品なんですがすごく好きです。末永く続いていって頭のネジ飛ばしていく優しい世界を観させてほしいなと思っています。

【感想】舞台『囚われのパルマ-失われた記憶-』

6月22日(土)、舞台『囚われのパルマ-失われた記憶-』を観劇しました。大阪公演初日、マチネとソワレ両方観ました。朝から晩までずっと囚われていました。

最近もっくんを推し始めた母が同行。そもそもチケットを取ったのも母が観たいと言ったからでした。

舞台を2公演も観ることが初めてだったのですが、同じ舞台を何度も観ることの良さに気付きました。よく舞台が好きな職場の後輩も言っていましたが、シーンごとに作っていくドラマや映画と違って舞台は物語の1から順番に作られていき、しかもそれが観客の目の前で行われるので1公演ずつ毎回違うものになります。演技も違ってくるし、ハプニングだって起こり得る。物語の理解度も増していくし、推しが何処から現れてどう動くのかも分かるので目で追い易い。一時停止も巻き戻しも出来ませんが、それでも生の舞台って良いものです。

話を戻して、忘れっぽいので忘れる前に舞台パルマの感想を書いていこうと思います。原作、舞台のネタバレにご注意ください。

  

 

ハルトが「あなた」に出会うまでを描いたビハインドストーリー。

公式に書かれている通り、舞台はそれを前提とした話になっています。原作であるゲームの存在は以前から知っていましたが、プレイし始めたのは舞台を観に行くと決めてからです。観劇当日で1章が終わってないくらいの進行度でしたが、他の人の感想やネタバレに目を通していたので原作知識はある程度あったつもり。お陰で舞台の話も大体は理解できたので、原作を予習していない人には難しいし退屈と感じる部分もあるかもしれません。事実ソワレで私の前の席の女の子が滅茶苦茶動くし基本頭が斜めに傾いていて退屈なのかーと思った。

とか言いつつ以下、観劇当日のツイート。

絶賛してるんですけど予想以上に真面目な舞台で1回観ただけでは話がよく分かっていません。前回観たのが頭のネジをどれだけ飛ばせるか選手権やってるみたいな舞台*1だったので温度差も凄かったし、軽い気持ちで観る舞台じゃないと思いました。OPEDで歌ったり踊ったりしないし、日替わりとかで笑える部分もいくつかあるけどネジは飛ばない。2回目の方が体感時間も短かったので話としては観れば観るほど、理解すればするほど面白いものだと思います。

 

サンケイホールブリーゼ

真っ白なロビーと真っ黒な会場でした。ロビーでは原作ゲームのBGM「約束」が流れていて心穏やかな気分になります。原作リスペクトを感じる。

 

・相談員とハルト

「あなた」=相談員=原作ゲームのプレイヤーで、舞台でどういう扱いになるのか気になっていました。全く触れられないのではと思っていたのですが劇中結構がっつりハルトに認識されてるし言葉も掛けられました。制作側が相談員とハルトの関係をとても大事にしている印象です。篠木とハルトの絡みを心配してる人は安心して観られるのではないでしょうか。ハルトは研究に没頭、篠木は目的を達成する上でハルトに興味を持ちますがかと言ってハニトラとかには繋がらず2人の間にそういう雰囲気は一切流れません。

 

 ・ハルト

舞台公式サイトには載っていませんが名字は「如月」。名前より名字で呼ばれる如月さん。名前で呼んだのってたぶん両親だけではないだろうか。

開幕時、原作の姿で現れるのでドキッとします。原作のハルトが見られるのは最初と最後だけです。

自分が周りからどう見られても気にならない。他人の感情が色で分かるけど謝っている先輩の久保田に対して顔も上げず作業しながら返事をしてるあたりコミュニケーション能力が低い。でもちょっと浮いてても認められてるので職場の同僚に恵まれています。周囲の話自体は聞いていて、カフェの隣のテーブルで新しい研究員が入って来るっていう話題が出てそれに反応している。ダンケシェン。突然単語を復唱するので天然は入っているはず。ばたんきゅー。

元々そういう性質なのか、両親の事故死をきっかけに心を閉ざしたのか、ゲームをやっていたら分かるのかもしれません。

だけどスイッチが入ると話を聞いてくれる久保田と郷田の分のコーヒーを注文し、かつおかわりにまで気を遣えたりする。前半は研究研究研究でマッドなイメージもありましたが、新薬の危険性に気付いた彼は政木に新薬開発の中止を訴え声を荒げます。普段大人しい人が声を荒げるし、その理由も他人を想ってです。ハルトが薬の研究をしているのは「人を笑顔にする」ためで、漸く彼がどういう人か分かった気がします。

疑問点としてはハルトが何故記憶を失ったのか。新薬のデータを消していって残るは自分の記憶だけだと彼は呟きます。その後政木の暗い感情と記憶に当てられたかのように意識を失いました。この2つが偶然重なった結果記憶が失われたんでしょうか。

フードを目深に被って心を閉ざしたハルトの前に新しい相談員が現れます。靴音が響いて近付いてくる感じが好き。照明の演出も綺麗でした。ガラス越しに2人が出会って、ゲーム本編に続いていきます。その手にタッチしたい。

公演中ずっと首を寝違えていた太田さん。元々好きな役者さんでしたが太田さんがハルトを演じてくれて良かったと思います。凄くハルトに囚われていました。毎公演最後に2人ずつ挨拶をしていくんですが、他の人の挨拶中ほぼ無表情で虚無を見詰めていました、囚われています。繊細な演技が繊細なハルトに合っていて私の中では太田さんとハルトが繋がりました。劇中シャツとネクタイ姿になることが一度だけあるのですが、太田さん意外と上半身ががっしりしている。でも腰から下は細い。

 

・篠木

優秀な諜報員らしいですが実はドジっ子なのではと疑っている。ハルトが彼女と会って頭痛を起こしたのは嘘を感じ取ったからなのでしょうか。

研究員時と諜報員時だと声のトーンが変わるのが好きです。対八木沼には頑張って優秀諜報員を演じているようにも見えて可愛い。

ハルトに近付きそうで近付かない。迫りそうで迫らない。むしろ迫られるのは山辺ですが可愛らしいものです。篠木とハルトが二人っきりになるシーンってあったっけ……と悩むほど絡まない。篠木は電話の中でハルトのことをよく話題に出しますが相手は八木沼だ。終盤で篠木とハルトは別々にですが政木の部屋に忍び込みます。ここで漸く絡んでくるかと思ったらそういうわけではないのですが、篠木は図らずも原作へと続く物語の終わりを見届けました。あの後すぐに研究所は辞めたのでしょうか。

 

・久保田

まさかの「如月さん」呼びで思っていたキャラと違った人その1。でも良い先輩です。プロジェクトリーダーに抜擢されたハルトに嫉妬する場面もありましたが闇落ちすることもなく、新薬について相談してきたハルトに嫉妬の感情をぶつけることもなく研究者として諭します。

同僚の中では最初に篠木を怪しみ、篠木がもっと悪だったら彼女の正体を突き止めてハルトにメッセージを残して命を落としていたと思う。

 

・郷田

思っていたキャラと違った人その2。絶対政木の腰巾着で嫌味な裏切りキャラだと思っていました。そんなことは全然なくめっちゃ良い人です。郷田さんごめん。

とにかく優しくて良い人なんですよ。郷田さんの良さは是非DVDを買ってご自身の目で確かめてほしい。マウスにも優しい、ひとりぼっちハルトにも優しいので残って実験を手伝ってくれる。ハルトが久保田だけでなく郷田さんも相談相手に選んでくれて嬉しかった。

 

山辺

あなたはそういうヤツだと思っていたよ。嫌味だけど根は良い人。入院したハルトを心配してくれます。その時のしょぼん具合が良い。その時の台詞があいつは抱え込み過ぎみたいなものだったと思うんですが嫌味だけど根は良いヤツっていうのが凝縮された素敵な台詞でした。

篠木の軽いハニトラジャブに初心な反応を見せてくれます。島本との先輩後輩コンビも好き。

最後の挨拶での清水さんのちょっとしたはっちゃけが楽しかったです。

 

・島本

黒髪じゃない! そこに開幕早々衝撃を受けましたが茶髪=島本と覚えやすかったです。チャラいし軽いけど先輩がバインダー忘れたと言ったらすかさず取りに走っていくちょっとした真面目さを併せ持つ今時の若者。

ハルトを気遣ったけど予想外のマジレスされてしょげた後は特に仲直りとかもなかったので彼が最終的にハルトをどう思っているのか気になる。

ブロマイドは黒髪ですが、瑛さんによるとあれは入社当時の島本だそうで納得。

 

・政木

悪い人なんですけど人間臭い。ハルトを通して想い人である涼子の姿を見ています。ずっと恋をしています。愛に囚われているし涼子に囚われているし、恐らく義人にも囚われている。そしてハルトにも囚われていると思います。

愛に囚われているので倒れたハルトに対して救急車を呼んでくれる。でも舞台を観るだけではよく分からない人でした。涼子が好きで義人に嫉妬してそれが原因で二人が亡くなったっていうのは分かるんですが、やはりゲームをやらないと政木は理解できなさそうです。

一瞬だけ若かりし頃の政木が現れますが切ないけど涼子に恋する表情が素敵です。

 

・涼子と義人

ビジュアルが好きすぎるお二人。特にお父さん、ブロマイド買いました。

涼子さんはあのスカートでしゃがんでくるのでドキッとします。二人の手繋ぎに癒され、事故に遭った後のハルトを呼ぶ悲痛な声に落ち込む。

どうやら「人を笑顔にしたい」と義人さんも言っているようなのでDVDで絶対確認します。

最後の挨拶では二人は隣り合わせに立ってるんですが他の人の挨拶聞きながら顔見合わせたりしててめっちゃ夫婦で可愛い。マチネの挨拶で「千秋楽で成仏したい」みたいなことをぶち込んでくる愛純さん好き。

 

・祥子

カフェの店員さん。フルネームは小林祥子(さちこ)、ラスボスですね。

安心と信頼の研究員と観客の癒し&息抜き空間であるカフェで、笑いをも提供してくれる素敵な女性です。ハルトをイケメン認定し大盛りビーフシチューを振る舞ってくれます。その時のハルトの反応が好き。他日替わり要素もご用意されています。

最後の挨拶では右端で祥子と島本がきゃっきゃっしています。時折郷田さんも混ざります。

 

・八木沼

この人の物語は劇中では全然進んでいないんですよね。目的を達成できたわけでも、逆に政木に返り討ちに遭うわけでもない。まだまだこれからなんだと思います。篠木八木沼コンビも割と好きです。

 

・狩谷

謎です、この人は一体何者なのか。ただの看守ではなさそう。最初は政木の指示で八木沼を騙しているのかと思っていましたが、電話の相手はまた別の人物っぽい。

今までの相談員と面会しているハルトを見る時の視線から冷たい人ではなさそうというのは分かる。

ソワレの挨拶で母は漸く演じていたのが女性だと気付く。これはどろろでも起こった出来事です。

 

・まとめ

浅く軽く原作を知っている私でも観劇するまではどういう話になるのか不安に思う時もあったのですが、結果は観に行って良かったと思える舞台でした。とても原作を大事に、相談員に気を遣って話が作られていると思います。真面目で難しいっていう印象は変わりませんがそれは悪い意味ではない。キャラクターもそれぞれ濃いのでハルトが相談員と出会った時、他の皆は何をしているのかがとても気になります。

でもやっぱり原作をプレイ済みの方が理解は深められたと思うのでゲームやります。面会延長もするでしょう。

 

・細かいメモ

ノックを3回するハルト好き。

マチネで笑いどころを理解した客席がソワレでよく笑うようになる。

*1:鉄ミュ

舞台を知り、舞台を観に行く

舞台というものを知り他の方の感想を読み出してから、私も自分が感じたものを文章に残したいと思ったので勢いでブログ作りました。あとよく文章がくどいと言われるので文章力も上げたい。読書感想文とかとても苦手でした。

・自己紹介
ふすと言います。成人です。名前は学生時代に突然友人から意味も無く授けられたものを特に意味も無く使っています。その友人は私をあんステとTRUMPシリーズの沼に引き摺り込んだ人なのでその経緯も後で書きたい。
小学生の頃からオタクです。いまも二次創作を嗜む夢女子であり腐女子でありノマカプ好き。ただ腐向けは見る専なので、このブログで自分からそういう記事は書かないと思います。

舞台というか2.5次元を知ったのが2018年の初めくらい。一気に沼に全身浸かりましたが、それからDVD鑑賞を経て実際に観劇を始めたのが2019年なのでまだまだ初心者です。観劇マナーとか読み漁っています。
推しは誰かと言われるとぱっとは出てこない。役者さん個人が好きというより舞台上のキャラ萌えをしているのかもしれない。でも太田基裕さん、法月康平さん、加藤良輔さんは好き(完全にClub SLAZYの影響)。

「全通したい~!」と駄々を捏ねていますが公休が少ない職場なので難しい。1回1回の観劇を大事にしたい。でも出来るならたくさん観たい~!
人見知りのぼっち気質。SNSでもそんな感じですが観劇時は必ず同行者がいるのでとても助けられています。

・舞台を知る2018年
きっかけは刀剣乱舞、そして職場の後輩でした。私も後輩も原作ゲームをやっていて「奇遇~」とか軽い気持ちでいたら後輩から舞台『刀剣乱舞』の話を振られました。どうやら彼女も舞台とかミュージカルが好きな人であると知りました。
正直最初は「2.5次元」に抵抗があったのですが、後輩のプレゼンと私の熱しやすくてちょろい性質の相乗効果で気付けばAmazonのページを開いていた。初めて購入したのは「舞台『刀剣乱舞』虚伝 燃ゆる本能寺」です。この時点だと刀剣乱舞への知識しかなく、役者さんについてはほぼ無知でした。
刀ステを買い漁った後は鉄ミュ、薄ミュ、あんステに手を出し、そして突然「とんちゃんが観たい!」と出演作をWikipediaで調べて「Club SLAZY」に辿り着きます。なので私がCSLに入ったのはAWからなんですが、この作品に出会えてよかったといまも思っている。

そしてとんちゃん繋がりでミュージカル『マリーゴールド』を買います。これより前、私に名前を与えてくれた友人に「TRUMP」を勧められていました。その時はオリジナルの舞台作品にあまり興味を持てなかったんですが(CSLで完全に覆る)マリーゴールドがTRUMPシリーズの作品だと知りこの偶然を嬉々として友人に報告、結果怒られる。観る順番が違うらしい。翌日TRUMPシリーズ鑑賞会が開かれました。幸いマリーゴールドはまだ未鑑賞だったので私は許されました。でもこのシリーズで私は絶望を知る。
その後私から後輩にTRUMPシリーズを勧め、彼女は「TRUMP」と「LILIUM」を観てくれましたがそこで心を折ります。個人的には「SPECTER」を観てほしいが難しそうだ。

・舞台を観に行く2019年
衝動的に舞台「どろろ」のチケットを買います。そんなことで休むなんてみたいなことを上司に言われてちょっと泣きますが後輩に励まされて無事に初観劇できました。ちなみに後輩は後輩で舞台を観に行って未警戒だった藤田玲さんにやられて帰ってきました。あれほど藤田さんはやばい(CSLのOddsさんのファンサがやばい)から気を付けろと言ったのに。
どろろは母と行ってます。母はイケメンとかわいい子が好きなので楽しそうです。役名で覚えてたり愛称で覚えていたり聞いててちょっと面白い。最近の推しはもっくんらしい。
また衝動的にチケットを取ったのが鉄ミュです。西武のスピンオフです。場所は品川プリンスホテルです。高校時代の友人を誘ってみる。舞台を知らないにも関わらず快諾でした。誘っておいてあれですが「え、東京だよ? 遠いよ?」「大丈夫です^^」とても良い人です。そして無事に辿り着いたクラブeX。開演直後目の前をばばりょが通って行き手も握ってくれた。個人的には神席でした。落馬するってこういう気持ちなのか。
そしてもっくん推しの母にせがまれて舞台「囚われのパルマ」のチケットを購入。初めてマチソワ2公演観劇し、生の舞台の真の良さを知った気がします。

今後も観劇の予定は入っててこの2年でかなり自分の行動力が高まったと思います。親戚にも「そんなにアグレッシブだった?」と言われた。
それにしたって良いものです、舞台って。

・まとめ
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