とりぼっち

主に舞台の感想が好きなように書かれています。

【感想】ミュージカル『ローマの休日』

12月19日(土)、ミュージカル『ローマの休日』の名古屋公演初日を観劇してきました。観てからもう3か月経とうとしていることに衝撃を覚えましたが、観劇後の2週間は体感的に結構長かったです。3月のサンセット大通り以来の劇場での観劇だったので12月に入った段階で感極まっていました。当日のテンションは可笑しかったです。 

チケットを取ったきっかけは太田さんが出ることと原作である映画のことを知っていたからです。真実の口のシーンが見たかった。元々東京公演だけで発表されていたので、その時は流石に遠征は我慢だなと指を咥えていましたが、名古屋での公演が発表されて悩んだ末にチケットを取りました。スマホにアプリ入れて電車はやめて車で移動してという感じにやりました。まだ私に東京は遠そうだ……。

以下、ネタバレを含んだ感想です。ご注意ください。

 

 

 

マジで名作だった。

知っていた。映画が名作だってことは知っていたが、ミュージカルも名作だった。映画についてはちょうどアマプラで観ることができたので事前に途中まだ観ていましたが、これは絶対全部観ないでミュージカルを観た方が面白い気がすると思い我慢して観劇当日を迎えていました。映画版のアン王女の可愛らしさったらそりゃすげえですしブラッドレイさんのイケメンっぷりったら白黒だろうと充分伝わるし真実の口のシーンはマジでやばいんだぜという気持ちで溢れ返り期待に満ち溢れながらミュージカルを観ました。全部好きでした。演出も演技も歌も何から何まで好きでした。眼福です。感動で久々にうるっときました。隣の後輩はべしょべしょでした。

 

太鳳さん回だったのですが、太鳳さんのアン王女がものすごく可愛い。というか太鳳さんが可愛い。観劇後太鳳さん可愛い可愛いとずって言っていました。王族らしく世間知らずですが礼儀正しくチャーミングで花屋がお花あげちゃうのもよく分かる。自由のない生活にヒステリーを起こして脱走するけれど、最後はしっかりと自分の責任を選ぶところが強い。立場の違いとかを理解して現実をちゃんと見られるのはブラッドレイよりもアンの方でした(ブラッドレイはふたりの未来を口にしたり別離の苦悩がしっかり描かれている)。最後の自分の責任に対して大使にはっきりと言うシーンは本当に格好良かったです。空気が変わった。

アン王女の脱走シーン、御園座の床って回るんですね!? 映画よりもしっかり描かれていて、運が味方するアン王女とその周りの描かれ方がコミカルで脱走の先に何があるのかこちらもすごくわくわくしました。アン王女の仕草がひとつひとつ可愛くって仕方ない。

私が観たのは太鳳さん加藤さん回ですが、お二人の身長差が堪らない。○○差、みたいなものが好きなので、此処に年齢差も加わっていたら悶絶ものです。ブラッドレイ30代くらいだったらいいな。

アン王女とブラッドレイのローマ観光は観ていて本当に楽しかったです。二人の後ろでローマの住人が常に活き活きと動き回っています。アンサンブルの方が多いとこういうことができて良いですよね。全く以て目が足りない。気付いたら見たい人を見失っていましたが、ローマの人々それぞれに個性があってついそちらを目で追ってしまうこともありました。

ちょっと刺激的な日常を満喫するアン王女と、それをエスコートするブラッドレイを観客は最初から見ていて、ふたりそれぞれの事情を理解した上で彼らが楽しそうにしている様子をずっと見ているわけなので、もう情が湧きまくりというか「引っ付けばいいのに」という気持ちで一杯でだからこそこのふたりの身分差に勝手に悩んでいました。事前にゲネプロ映像観ていたので何となくどうなるか察してはいたのですが、それによってさらに悩みが増してました。正直に言うと未だに悩んでいる。

真実の口のシーン、一番見たかったシーンだったので本当に感無量でした。アーニャをアン王女と知りながらもひとりのお嬢さんとしてからかうブラッドレイめっちゃ良い男やん……。

 

そんなブラッドレイさんは金の無い新聞記者で、初っ端「アメリカに帰るぞ!」と 歌う姿は格好良いですが(加藤さんの声がマジで良い)酒浸りでギャンブルしたりで自堕落な大人感が滲み出ています。いや働いているだけマシなのか。そう言えば映画版ではアメリカに帰ってやるぜという宣言はしていなかった気がする。

だとしてもブラッドレイは相当なお人好しだと思います。夜の街で泥酔(しているように見える)初対面の女性(アン王女)を放っておかず、タクシーまで捕まえて家に帰らせようとしてくれるとか滅茶苦茶良い人です。本当アン王女が出会ったのがブラッドレイさんで良かったと思います(劇中出てくる人皆良い人ですが)。

ブラッドレイの自室での二人のララルー面白かったです。嗚呼こうやって笑わせにもきてくれるんだと解って楽しみが増しました。ローマの人々のイタリア語ははっちゃけ過ぎていた気もしますが(でも皆良い人なので面白かったです)。

最初はスクープ記事によるお金目的だったのが徐々にアーニャに魅かれていって手放したくなくなってしまい、ふたりでの逃避行さえ提案するほどのブラッドレイでしたが、アーニャはアン王女であることを選びました。後ろから抱き締められたアン王女の声の漏らし方が苦悩の心情を物語っていて凄かったです。お互いがお互いに魅かれているというのは分かり易いのですが、一緒にいるかどうするかという苦悩に関してはアン王女はあまり描かれていなかったように思います。船上パーティーの時点で黒服に対して最終的に帰るつもりの発言をしていたので、彼女は生まれた時から王女である自身の責任を自覚し続けていたのだと思います。対するブラッドレイの苦悩というか未練というかどうにかならないかとあがく姿は格好良くはないけれど分かりみが強すぎて本当どうにかなってほしかったです。でもアン王女の気持ちも理解できる。

夜の切ないお別れが最後ではなくて、その後アン王女の会見で再会してお互いの気持ちを確かめ伝えあってっていうのがすごく良かったです。もうこれで本当にお別れなんだろうけれど切ないだけではないエンディングというのが堪らなかったです。うまく言葉にできない気持ちにさせられました。切ないけれど明るくもあるんだよなあ……。

何だかんだ色々あるけれど結局最後のブラッドレイ加藤さんの笑顔がずるい。

会見後、アン王女が立ち去った方を振り返り、そして笑みを浮かべるんですが何だその笑い方は。ずるい、ずるいぞ、ハンサムにも程がある!!最後に全部持っていかれました。そうやってブラッドレイが笑えるんなら良かったよ。

 

今回観に行ったのは太田さんが出ていたからというのが一番大きいのですが、アーヴィングというのが明るくコミカルなキャラクターなので太田さんのそういった演技をすごく楽しみにしていました。シリアスな演技も好きですが(イノサンに至っては圧倒的高貴)、太田さんのコミカル演技がすごく好きなのでこうして生で見られて本当に良かったです。マンマ・ミーア! もっくんの歌最高でした。

ブラッドレイとわちゃわちゃしているのも楽しいし、会見でのアン王女への粋な計らいとかすごく良いヤツでした。あれってブラッドレイとアン王女のこっそりツーショット写真を渡したのかなと勝手に思っています。渡していてくれ。最後、ブラッドレイとアン王女だけに照明が当たって見詰め合う後ろで、他の記者たちは背中を向けているのにアーヴィングだけ振り返って笑うのも友情を感じてすごく良かったです。確かブラッドレイとアン王女をそれぞれ見ていた気がする。

もっくんはオリラジの藤森さんとのWキャストだったのですが、ゲネプロ映像で見た藤森さんのアーヴィングもバリバリに仕上がっていて叶うなら観たかったなと思いました。いや叶うなら名古屋公演全部観たかった。

 

ヴィアバーグ伯爵夫人からアン王女へ向けられる愛情はすごくあたたかくて良かったですし、将軍はただただ注射が苦手というのが何だか可愛いし、マリオに歌ウマ岡田さんってすごいし相変わらず素敵な声でしたし、ローマの皆めっちゃ良い人これに尽きるでした。アンサンブル入り乱れるシーンはどれも本当に好きでした。特にスクーターシーンは浪漫が溢れ返っている。

 

マウスガードのあるなしで演出の幅も変わってくるのだなと思い知らされた観劇でもありました。やっぱり生での観劇は良い!これからも劇場に足を運ばせてほしい地方民!役者さんの足音が聞きたい!

どうするかどうなるかちゃんと考えながらも、好きなものを好きなように続けていきたいと思いました。嗚呼本当にもう一回観たいミュージカルでした。

推しのオンラインサイン会に参加した話

結論から書くと、はあ~~楽しかった~~~!!

圧倒的単純さ、始まる直前まで心臓がばくばくいっていましたが、終わった後は「楽しかった!!」というテンション爆上げ状態でした。

 

先月、推しさんのオンラインサイン会に参加しました。先月が推しさんの誕生月ということで開催された初のオンラインサイン会企画(サイン会自体はやったことあるのだろうか?)で、推しさん初ガチコスプレの場でした。

イチナナの配信でコスプレはやられてましたが、今回はウィッグとカラコンつけてメイクさんにお願いしてのガチのコスプレでした。推しのコスプレイヤーデビューの瞬間を見ることができたと思うと何だかうれしくなってきました。

 

サイン会っていうのは事前に発表されていたと思うのですが(記憶が無い)、無知だったのでまさかこういったサイン会だとは思っていませんでした(同時期ばばりょさんがオンラインサイン会の発表を行っていて推しさんのサイン会っていやまさかな、とか思っていた)。zoomを使った顔を合わせてのサイン会のことが発表された時、私は吹っ飛んだんですが、同時にマジで参加するかどうか悩みました。zoomのカメラ機能をオフできるとは言え一対一で話すことに変わりはないのでビビりました。

結局今回も後輩(相談した)に背中を押される形で申し込みし、オフにしようか悩んでいたカメラも後輩に「なんでですか?」とずばっと聞かれてオンにしました。何故かっていうと答えられなかった。

 

結果は冒頭の通りでした。自分の気持ちしか分かりませんが、満足度100%でした。伝えたいと思っていたことも全て伝えられました。

zoomの仕様でルームに入った直後は自動的にカメラがオフになっていて、自分が設定したアイコンが画面に表示されるんですが、それを推しさんの配信と同じアイコンにしていたので初っ端一発目でHN言い当てられて「推しさんすげえ!」となったと同時に爆散しそうになりました。記憶飛ぶのを堪えられて本当に良かったです。言いたいこと吹っ飛ばなくて本当に良かった。

コスプレ似合ってました。何のコスプレをするかはシークレットだったのですが、まさかの私が一番好きなキャラクターでさらにテンションが上がりました。推しさんから話もちゃんと振ってくれてもう流石です。チェキを撮って、その場でサインを書いてくれるという形だったのですが、書いてる時は邪魔しちゃいけねえと思って黙っていました。喋っても良かったのか!?

とにかく3分あっという間でした。楽しかった~~!!

こういったイベントに参加するのは初めてでしたが、2回目があったら申し込むなと思いました。良い思い出となりました。

11月には推しさん脚本・演出の舞台配信もあるので楽しみです。

【感想】朗読劇「ノンセクシュアル」(スペードバージョン)

蒼佑役の鯨井さんの感想をちらほら目にし、朗読劇「ノンセクシュアル」のチケットを購入するに至りました。スペードバージョン、クローバーバージョンの2種類があり、バージョンごとにメインどころの3人の役が違ってきます。私が観たのはスペードバージョンになります。鯨井さんの蒼佑が見たかった。

結論から言うと、その日の夜は興奮してなかなか寝られなかったです。こんな気持ちはもしかしたら小さい頃に猿の惑星を初めて観た以来かもしません。猿の惑星も私の中では結構な衝撃作でしたがノンセクシュアルも凄かったです。

最終日に衝動が爆発したので1回しか観なかったのですが、クローバーバージョンも観たくなりました。

以下、曖昧な記憶+ネタバレを含んだ感想です。ご注意ください。

 

 

 

これはもう感想というよりは衝動書きに近いです。

鯨井さんに全部持って行かれた。

興味があったのも鯨井さん演じる蒼佑。観終わった後も頭の中を占めるのは鯨井さん演じる蒼佑でした。

ノンセクシュアルの公式サイトには登場人物のことが割と詳し目に書いてあります。劇中で触れられない設定も書いてあるので細かな設定好きとしては非常に楽しい。これを読むとそれぞれの登場人物がどういう人なのか分かります。ただ読んでいないと劇中での彼らの言動がちょっと分かり難い部分もあるような気がしました。

前も書いたような気がするんですけど、オリジナルの舞台ではキャラ萌えから始まりそこからずぶずぶとのめり込んでいくタイプの人間なので、設定を読んだ時点で蒼佑のこと結構好きでした。好意を伝える努力が空回りするのすごく好きです。でもここまで気になるのは鯨井さんが演じるからなのだろうとは最初から悟っていました。

 

瑛司が塔子に襲われていたところを助けたことで、蒼佑と瑛司は出会います。

初っ端から話が逸れますがここの塔子さんのアグレッシブさ嫌いではない。瑛司を物理的に抱くつもりなのかとも思いましたが、どうなの? 胸の下りが言い方とか含めて好きでした。

瑛司は主人公枠でいいのでしょうか? 最初の蒼佑とのやり取りなんかを見ていると、瑛司は人懐っこい印象を受けます。相葉さんの演技がすごくそう思わせる。人懐っこくて笑った顔が何だか可愛い。誰にでも好かれる感じ。そしてやらかしてビンタされる感じです。全体的に見ると瑛司は蒼佑に振り回されていましたが、瑛司も他人を振り回すタイプだと思います。見方を変えると蒼佑も瑛司に振り回されたひとりなのかもしれない。いや蒼佑がやったことに対して瑛司は悪くないのですが。

助けてくれた蒼佑に対して瑛司が向ける笑顔なんかはすごく此方に興味を持ってくれているような笑顔で、蒼佑がのめり込むのも分からなくはない。のめり込み方が凄まじかったが。

瑛司は自分の気持ちに正直というか奔放なので、蒼佑をノンセクシュアルと見抜いて興味を持ち(だったはず)友人関係を築きます。

蒼佑も瑛司に好感を抱いており、彼がバイセクシュアルと知った時は一瞬の動揺を見せましたが、その後の関係を途絶えさせることはしませんでした。蒼佑は瑛司からバイであることを伝えられた時は食事を取り止めて一度帰っています。その後、ふたりで再び会っているシーンに映るのですが、この描かれなかった時間の中で蒼佑がどういう風に自分の気持ちを整理したのかとても気になります。結論的に蒼佑がどういう気持ちになったのかは劇中で描かれるのですが、そこに至るまでを見てみたかった。どういう風に鯨井さんが演じるのか見てみたかった。

蒼佑が“親友の証”として瑛司にお揃いの指輪をプレゼントするシーンがすごく好きです。好意を伝える努力が空回りしてる。私はこうやって不器用なキャラクターが好きなのかもしれない。瑛司はそんな友情を初めは拒絶しますが、蒼佑が激昂したため指輪を嵌めます。どの指に嵌めたのだろう。蒼佑の感情のヒートアップ具合が本当鯨井さんうまいなあと言うか、イコールヤバい奴に完全に繋がるのですごい。先入観ももちろんありましたが初登場時からちょっと普通の人ではない空気感の作り方が素敵でした。

 

時系列に少し自信がないのですが、この後瑛司と友人・侑李のシーンがあります。侑李はこの作品のトリックスターというか柔らかい部分というか圧倒的ボケというか。我が道を突き進んでいます。侑李の登場人物の項は私のツボに入るキーワード一杯なので是非見てほしいのですが、彼はアセクシュアルで人に性的な愛情は持ちませんが、それとは別の“情”は深い設定です。よいですね、そういうの本当ツボです。蒼佑に興味を持つとあったので死亡フラグかなと思いましたし、瑛司から借りた指輪が抜けなくなってそのままマンションを出たところ(恐らく瑛司に肩に腕回されてる)を蒼佑に見られたりしていて完全にフラグ立ったなと思いましたが大丈夫でした。彼は彼のままとくに変わることなく舞台の幕は下ります。

 

むしろ蒼佑から狙われたのは瑛司の元カレ(でいいはず)・秀樹と、元カノ・塔子でした。二人に未だ残っていた瑛司への情が、殺されることによってはっきりと分かるのが切ないです。秀樹は本当に運悪く巻き込まれただけというのも悲しいですね。死亡した二人ががくんと椅子に座り込む演出好きです。もうそれから照明が当たることはないのでぼんやりとしたふたつの影だけが舞台上に見えています。

 

※ここが一番記憶に自信がない場面です。

ストーカー的な行動に出始めた蒼佑から身を隠していた間に秀樹と塔子が“自殺”し、蒼佑からも彼の実家で自ら命を絶つという連絡を受けます。以前に秀樹から蒼佑の家のことを聞いていた瑛司はそこへひとり駆け付けます。不気味がらず面倒臭がらず、駆け付けてくれる瑛司は根が優しいというか純粋に思える。そういうところが秀樹や塔子からも矢印を向けられ続けていた要因かもしれない。

蒼佑が二人を殺したことを瑛司が気付いたのと同時に、蒼佑の過去が明らかになります。元々秀樹の口から蒼佑の両親と弟は一家心中によって亡くなったということが語られていましたが、その真相です。

蒼佑は義母に性的暴行を受け、ふたりの間には男児が生まれます。義母の目的は愛人を作る夫(蒼佑の父親)に自分の許に戻って来てもらうために“夫との間の子ども”を作ることでした。夫は男児を自分の子どもとして受け入れます。つまり、蒼佑の父親は愛人を作りながらも義母ともそういったことをしていたということでした。

もうこの場面は怒涛の鯨井さんです。どっろどろの感情を吐き出す鯨井さんの蒼佑です。こういう過去の話を登場人物が口頭だけで説明してその時の場景は聞き手の想像に委ねられているの堪らなく好きなので私のテンションは上がるばかりでした。

一家心中と言われていたものは実際は蒼佑が“弟”を転落死させ、義母を父親が突き落とすように仕向け、最後に父親に義母と“弟”の真実を告げて飛び下りさせました。蒼佑が手に掛けたのは“弟”だけで、父親は自ら飛び下りたという解釈なんですが、蒼佑が落としたという解釈もできるような気もします。

 

義母とのことが蒼佑の異常性の原因です。性的関係への嫌悪感の原因ですよね。あとは“愛情”に対しての歪みみたいなものも生まれたと思います。

疑問なのは三人が亡くなったのはいつ頃なのかという部分です。瑛司が蒼佑と出会った時、彼はたしか「法要帰り」と言っていました。“弟”も幼いような描写があるので、三人の死からは結構時間が経っているのでしょうか。

 

瑛司は蒼佑にとって本当に理想の存在だったのだろうなと思います。瑛司を自分と同じだと勘違いする出会いもそうだし、瑛司が実家の狩猟を理解してくれたり、『ネメシス』(瑛司が作詞とボーカルを務めるバンド)の愛を否定する歌詞だったり、瑛司自身他者から愛されるタイプの人間だったり、色々な条件がうまいこと噛み合った出会いだったのかと。運命的な出会いだったからこそ瑛司のことを大切に大切にして凄まじい執着を持ったのだろうと思います。

 

監禁され窮地に陥った瑛司を侑李が助けに来てくれます。今まで見てきた侑李のまま、焦りも動揺も何もないいつも通りの侑李が助けてくれます。すごい安心感。ライフル構える姿は絶対格好良い。

逃げようとした時、蒼佑が戻ってきます。このシーンの演出方法と鯨井さんの演技にすべて持って行かれました。

今回舞台上、それぞれのキャストさんはシートの貼られた囲いの中に入って朗読・演技をしています。これは感染対策だと事前にアナウンスされていました(はず)。

先のシーンではそれを扉に見立てて、瑛司に逃げられると気付いた蒼佑がポケットナイフでシートを引き裂いていきます。つまり蒼佑は鬼の形相で家の扉を壊そうとしているということです。個人的にはシャイニングのイメージです。まさかそんな風に感染対策として使われていたセットを使ってくるとは思っていなかったので精神的には椅子から転げ落ちました。元々思い込み激しい方でしたが、もう常識ひっくり返されたような気分でした。あと照明。蒼佑を明るく照らし出す照明はおどろおどろしく感じられて、蒼佑がさらに不気味に映っていました。

その時の鯨井さんの演技。音声としては瑛司の名前を叫ぶだけですが、その時の絶叫っぷり大好きです。そこからの動きや表情の演技も堪りませんでした。扉を破ろうとしている時の表情はほぼ狂気的ですが、パトカーのサイレンの後、崩れ落ちた蒼佑の表情は一変して狂気のスイッチが切れたようなものになります。正気ではないが、蒼佑としての正気に戻ったような顔。

鯨井さんの表情の作り方巧みだなあと思います。鉄ミュ3の「とーかいどーと呼べ―!」の後、進化の過程を見せられますが、最後の進化で顔の前で手をスライドさせた時の一瞬で表情変えるのを見た時からそう思っていました。

 

・まとめ

初の朗読劇でしたが、予想よりも動きがあってとても楽しかったです。「ノンセクシュアル」の設定もキャラクターもすごくツボで話にどんどん入り込んでいきました。

最後、蒼佑は逃げ去り、瑛司のことは諦めておらず、とても冷静に穏やかな気持ちで次の機会を狙っているので、“瑛司と蒼佑”の話はまだ終わっていないのが恐ろしい。瑛司は時間の経過と共に油断しそうで大丈夫かなと思います。蒼佑は決して諦めない。侑李は生き残ってほしい。

最後の演出方法でアッパーかまされて興奮しまくって後輩に感想を伝え、ふたりで鯨井さんの演技について盛り上がりまくりました。これが通常の舞台だったのならさらにすごい演出とかあったのかなと期待しかありません。

衝動的な視聴でしたが、観られて本当に良かった作品でした。もう一度観たい。

【感想】2月、3月の観劇

2月と3月、推しさんが出る舞台以外のものもいくつか観劇していました。元々ノリに乗らないと文章書くの遅いので感想も書けてなかったのですが、退職して時間があるのでこの機会にまとめて書き残しておこうと思います。(イノサンをあのスピードで書けたのはある意味ノッていたからであり、私は円盤発売を待っている)

お品書き

  1. 舞台「憂国のモリアーティ」
  2. 舞台「モマの火星探検記」
  3. ミュージカル「サンセット大通り

以下、ネタバレを含んだ感想です。ご注意ください。

 

 

 

・舞台「憂国のモリアーティ」

2月1日(土)、マチソワ2公演を観劇しました。

前々から舞台を一緒に観に行こうと企んでいた後輩と遂に観劇できたため最初からテンションフルスロットルでした。ちなみに最初はエーステでそれを企んでいましたが敢えなく撃沈しました。 

久々に2.5次元舞台を観たような気がします。12月にイノサンに行ってますがそこからはONEだったりスペ夜だったりで非常に濃密な観劇だったので、モリステのキャストさんが身に纏う衣装を見て「久々……」と思いました。

モリステは19世紀末のロンドンを舞台としているので衣装も大人しめではありますがやっぱりきらっきらしてました。ハドソンさんとアイリーンの服好き。後輩曰く「衣装もしっかり作り込んである」そうで、舞台セットにもそう感じたのでモリステはお金掛けてるんだと思いました。動くセットがんがんぶつかっててソワレではちょっと壊れていた気もしますが。

主演のまっきーこと荒牧さんはやはりお顔が美しい。ソワレでは前から3列目でその顔を拝見しましたが作り物みたいに綺麗で浮世離れしていてこんなに近くに存在していることがちょっと信じられなかったです。初っ端後ろからライトを当てられてるんですがソワレは角度の関係で完全に後光にしか見えなかったです。美しい。

そんな綺麗な顔が最後の最後振り返ってすごい悪い笑みを浮かべてくるんですよね。私は最初観た時それに気付かず後輩に怒られましたが、それを踏まえてちゃんとソワレでは見ました。滅茶苦茶悪い顔をしていました。しかもマチネでは振り返ってにやっとだったのがソワレでは振り返る段階でにやああとすごい笑みを浮かべていて怖かったです。後輩は瀕死でした。

あとモリミュを円盤で観た時からキャラクター的に気になっていたモラン大佐。演じられてる君沢さんの声が甘すぎてどきどきでした。ランブロ揃えました。モリミュで言ってた「踊れ踊れ」の意味もモリステで理解するのですが、何故大佐はバスタオル一丁の姿なのか。初見時本当にぽかんとしました。2回目もやはり理解できずぽかんとしていました。後輩が原作を買いましたがそれでも理由は分からないそうです。

憂国で一番ヤバい人なのは長男・アルバートだと思うのですが、瀬戸さんの演技もヤバかったです。湛える笑みからじわりと滲み出ている狂気みたいなものが伝わってきて、山手線(鉄ミュ)の時の可愛い感じとのギャップにやられました。

シリアスな場面でも思い出したようにギャグをぶち込んでくるどころは初代薄ミュが脳裏に浮かびましたが何とか堪えました。舞台上をセットや人が常に動き回っていて休ませてくれなくて、それが楽しかったです。1回では把握できないほど情報量も多かったです。

私は原作未読なのですが、驚いたのはモリミュとは全くと言っていいほど話が違ったところ。モリアーティとホームズなんか全く絡まない。ホームズは恐らくモリアーティの存在さえ知らないと思う。原作寄りなのはモリステなんですかね? モリミュはあれはあれで滅茶苦茶好きなんですが。舞台とミュージカルで違ってくるのは分かるのですが、モリステはストーリーだけに焦点当ててる分手堅く作られている印象でした。

そしてまっきーの殺陣が見られる。華麗に獲物ぶんぶん振り回していて流石でした。

 

・舞台「モマの火星探検記」

2月11日(火)に観劇してきました。サンケイホールブリーゼ再び。前回はまだ観劇ものぺーぺーだった時にもっくんを観に行きましたがロビー真っ白、劇場内は真っ黒な感じがとても好きです。

少年社中さんの舞台を1度でいいから観たいと思っていてチケット取りました。LikeAのマーマ役の鎌苅さんにも釣られる。

すっごい完成度でした。集った宇宙飛行士は出身もバラバラなんですけどそれぞれ祈りの仕方とかが違っていてその細かく作り込まれた設定に本当胸がときめきました。

しかし話はつらい。とてもいい話で、最後も親子が再会できたのでハッピーではあると思うんですけど、私は何故か滅茶苦茶つらい気持ちになって暫く引き摺っていました。何故だ。モマへの好感度が高すぎたのでしょうか……。

鎌苅さん演じるホルストと息子・ジュピターの話は観劇で初めて泣きそうになりました。鎌苅さんの泣き演技が心に突き刺さる。すごいなあ。カテコでジュピター役の子を抱っこしたりしていて本当の親子みたいでほっこりしました。パパなだけある。

母親の推しであることがロビー開場後に発覚した鈴木勝吾さん。パンフレットでの外見情報しかなかったため舞台上に出て来た鈴木さんを暫く鈴木さんとは認識できていなかった(母はすぐに気付いていた)のですが、ロボットの動きがすごい。常にロボットしている。カテコでもロボットしていた。喋り方もロボットらしく機械的だけど優しい感じ。実際最後、モマに対して本当に優しかったです。心あるよね。さいごは機能停止したのかなあと思うとつらい。

ギャグパートが私のツボに入り込み、特にモマの告白であったり娘が生まれた時であったりの矢崎さんの間の取り方や言葉の言い方が絶妙ですごく好きです。

実は少年社中さんの通算614回目の公演を観劇していて、誕生日と同じ数字だったのでちょっと嬉しかったです。

 

・ミュージカル「サンセット大通り

 3月26日(木)に観劇してきました。コロナにより本来の初日から数日遅れでの開幕となっていました。前日25日には都知事さんの会見もありで行くかどうか悩みましたが行きました。

ミュージカルの観劇は今年初でした。じゃあ前回は何だったかと遡ってみたらイノサンでした、わお。ただ2.5ではないミュージカルは今回が初めてでした。

サンセット大通りは海外の作品で、過去にブロードウェイで上演されています。日本での上演は今回で3回目で、私は出演されている太田さんに惹かれてキャスト先行申し込むか迷っていたらもっくん推しの母に背中を押されてチケット取りました。

会場に入って気付いたのは、オーケストラピットがある! チューニングしてる! 初の生演奏! この段階で私のテンションは急激に上がりました。こういう時音楽のことを知っていたらもっと色んなことに気付けるのだろうなと思います。

芸能界の話だけあってセットや衣装がとても華々しい。特に大女優・ノーマ(安蘭さん)の衣装は登場する度に変わっているぐらいの数で、安蘭さん早着替えどうやってるの。どの衣装も個性があって華があって見ていて楽しかったです。

ジョー(松下さん)の新しい服選びのシーンもすごく好きです。明るい、とても明るく笑える。ノーマがジョーのこと甘やかしたいし機嫌を取りたいのが伝わってきます。不味い、ノーマの心情深読みするとつらいかもしれない……。

しかし結末的には「つらい、つらい……」でした。まさかモマに引き続きこんな気持ちになるとは予想外でした。冒頭で死体浮いてる時点で察しましたが。公式にも書かれていますが<愛の悲劇>の話なので主要人物全員無傷ではない。つらい、つらいけれど最後のノーマのシーンは狂気ではあるが美しい。スポットライトが彼女に集約して暗転する演出に胸が締め付けられる。その場にジョーが居るというのもつらいけど、去ろうとして足を止めたってことはノーマへの気持ちはちゃんとあったんですよね。

太田さん演じるアーティはすごくいい奴でした。太田さんのコメディ調の演技好きなので見ていて楽しかったです。婚約者・ベティ(平野さん)とは予想以上にいちゃいちゃしていて眼福でした。

 

・終わりに

これからも観劇がしたい……! 

【感想】朝劇に行ってきた話

2月16日(日)、朝劇下北沢『はじまり』を観劇してきました。

初・朝劇! 推しさんのことを知ってから絶対行ってみたいと思っていたのでもう行けるってだけでテンション上がりっ放しでもうこのまま消滅しそうでした。

今回もコールド・ベイビーズ観劇時同様数少ない公休が重なるという奇跡が起きました。推しさん絡みの奇跡が立て続けに起きていてヤバい。2月でこれってヤバい。2020年の残りも頑張りたい。徳を積みたい。

以下、ネタバレを含んだ感想です。ご注意ください。

 

 

 

初めての朝劇、とても楽しい時間でした。

朝劇の存在を知った時、「朝食を食べて、観劇」というコンセプトに驚くと共に興味津々でした。食べさせてくれるし、観させてくれるの? 場所も普通のお店っぽいしどうやるんだ? 観劇ハマりたての私は若干混乱しました。

どきどきしながら現場に行ってみると、素敵な雰囲気の店内で、ずらりと並んだテーブルには既に朝食が置かれていました。

食べていいのか、食べよ、と周囲を伺いながら食べた朝食は美味しかったです。パン好き。事前に公式さんも朝食を食べ終えてから観劇してもらった方が良い的なツイートをしていたので程良い量の朝食は丁度開演前くらいに食べ終わりました。

 

店内には奥に舞台が作られていて、それと一緒に観客のテーブルに囲まれた中央にもテーブルが用意されていて、役者さんたちは主にそこを行ったり来たりしながら演技します。素敵なご縁があり座った通路席はほぼ目の前と背後に渡辺さんが立ったり真横を通って行ったりしてヤバかったです。よく正気を保てた。

 『はじまり』はショートストーリーを2本立てといった感じの舞台でした。毎回こんな感じなのだろうか。 

 

・「いろは」

数ヶ月前までマグロ漁船に乗っていたカツオ役の渡辺さんの落語から始まって驚いていたらユイちゃん(寺田さん)とスズキ(山岡さん)が1階から上がって来て話し始めるんですが、その間渡辺さんはエレベーター乗り場の陰に隠れながらもちゃんと演技をしていて1人と2人が店内の別々の場所で演技をしているので目が足りないと思いました。常にそんな感じなので頭動かしまくりです。

ヤナギさんのいろはかるたでカツオとユイちゃんが戦うのですが、カツオが何枚取れるかは渡辺さん自身の腕だったらしく16日は1枚取れていました。顔は真っ赤でした。

スズキは可愛い。ネジを語るスズキも可愛い。素朴。スズキの話を聞くユイちゃん役の寺田さんの表情が絶妙過ぎて好き。

ドタバタっとよく動く明るいお話でした。朝の爽やかさを感じます。スズキみたいに元気良く出勤出来たらいいよね。

 

・「ビックバン」

マイコ(絵美さん)のピアノから始まるカフェでの話。「いろは」でも名前が出たヤナギさん(宮原さん)が出て来てハーモニカを吹いてピアノとセッションする。楽器の音だけの店内の空気がとても好きでした。ふらりと現れた不明の人(村尾さん)はずっと窓側のカウンター席に座っていて「そこも使うのか」と普通のお店での舞台の可能性が豊富過ぎてどきどきでした。

タイトル「ビックバン」の意味が劇中で回収されて内心膝から崩れ落ちました。誰もが0からは始まっていないんですよね。両親がいるから私はこうやって観劇できてるんですよああ~という気持ちです。

「いろは」が動の話なら「ビックバン」は静の話だったと思います。前者が常に会話で繋いでいるのに対して、後者は間を思いっ切り使ってちょっとした動きとかで此方を引き込んできました。

マイコとヤナギさんのシーンでコーヒーを零してしまうのですが、最初はそれも脚本だと思っていたらどうやら実際は本当のハプニングだったらしく、全くそうは見えず演技を続けながら絵美さんがテーブルを拭いたりコーヒーを淹れ直したりしていて凄過ぎました。(余談ですがツイキャス配信の時から絵美さんのことが気になっていて、実際に見た絵美さんは包容力高そうなお姉さんでどきどきでした)

ヤナギさんの話とか特にそうなんですが、今回の舞台は過去に何があったかを詳しくは説明せずにその場(カフェモキタ)での出来事だけに焦点を当てていて、色々なことを観客の想像に任せる演出がとても好きでした。ヤナギさんとかいくらでも掘り下げられるのに敢えて触れないところ好き。不明の人も“大人数の食事を作るのに慣れてる”ところとか主夫?料理人?とずっと考えていました。

 

今回ハイタッチはなくて、役者さんからのくじで引いたシチュエーションの「いってらっしゃい」を頂けました。渡辺さんは歯磨きをしながらのいってらっしゃいだったのですが、はみがきの演技上手いなと思っていたら本当に歯磨きしながらいってらっしゃいと言ったので口の中の物全部噴き出す、という演技を見せてくれてある意味カオスでしたが面白かったです。

このことを会社の後輩に話したら「いってらっしゃいと言われたってことはそこはもう帰る場所になったってことですよ」と神解釈を授けられて崩れ落ちました。ありがとう、私は朝劇下北沢と自由が丘プラス南口店さんに帰ります。

 

1月末から2月に掛けては観劇と遠征三昧でとても楽しかったです。推しさんがかなり近くで見られてマジで良かったです。今回も手紙を書いたのですがプレボがなかったのでどうしよう、郵送か?とか若干悩んでいます。今後の渡辺さんの予定がまだ出ていないので正座して待ってる。

【感想】舞台「コールド・ベイビーズ」

2月7日(金)、舞台「コールド・ベイビーズ」のマチネ公演を観劇しました。

公演が発表された当初は休みが取れなさそうで血の涙を流しながら観劇を諦めていたのですがその日にたまたま公休が割り当てられたのが分かった瞬間チケット取りました。奇跡、まさに奇跡です。つまりは東京日帰りということですがへっちゃらでした。つくづくイノサンで日帰りに味を占めたと思います。

以下、ネタバレを含んだ感想です。ご注意ください。

 

 

 

・終演後は穏やかな気持ちになれたストーリー

観終わって、すごく穏やかな気持ちでいられました。心が凪いでいる。友情とか愛情とかそういう情の話がすごく好きなのでとても良かったです。

少子化の対策として開発された人工子宮から生まれた“コールドベイビー”と、ある調査でモニターとして集められた若者4人がメインに据えられたストーリーでした。

集められた場所というのは人工子宮を作った研究所で、そこで4人1組(彼らはC組)で1泊するんですが何か人工子宮や人工子宮児に関わる大きな事件が起こるのかと予想していたらそういうことは全く無かったです。クーデター起きるんだろとか思ってたけどそんなことはなかった。

大きな事件は起きないけれど山場はもちろんあって、若者組の間で色々と問題も起こるんですが、此方は4人の友情が始まった瞬間から彼らを見ているので知らない間に感情移入していて、舞台上の話が終わってもこの先も続いていくだろう彼らの友情に温かい気持ちになりました。彼らの内面や家族のこととかを中心にストーリーが進行していくので上手に感情移入出来たのだと思います。だからこそさらにぐっときました。

彼らを近くから見ている研究所の大人2人がいるんですが、2人のやり取りが緩い。7割は緩かったと思う。主に善太さんの所為ですが善太さんはこの話と他の登場人物に必要不可欠な存在だと思うので許される。

 

・古谷草介(マークくん)

丁度登場人物の年齢が分かったんですけど古谷くんは21歳で若者4人の中では2番目にお兄さん。夕輝さんを諌める時の「いじわるですよ」という言葉選びがとても好き。柔らかい物腰と口調ですがバトミントンでノッてくるとキャラが変わる。あの条件での試合で夕輝さんと共に勝ちに行こうとするあたり勝負事は好きなのかもしれない。

実は集められた4人の中にはコールドベイビーがいて、それが誰か当てれば5万円が貰えるというのが序盤で彼らに告げられるのですが、その後の日記を使ったモノローグで古谷くんが自分がコールドベイビーであることを明かします。あまりにあっさり明かすのでスルーしそうになりました。ただひとりだけ白い服だったり雰囲気もふわっとしていたので「だよね」と思いました。

コールドベイビーには健康面でも精神面でも欠陥があると言われており、ポジションゲームでその欠陥が露になると大木(渡辺さん)は踏んでいましたが実際はその逆でした。古谷は朱羽を諭して4人の絆を強固なものにします。

最後古谷は他の3人に自身がコールドベイビーであることを知られますが、4人の友情が崩れることはありませんでした。焼肉美味しく食べてれば良いと思います。

そして古谷がモニターに参加した目的である“産みの母”である人工子宮と対面します。人の形さえしていない人工物の前で古谷は涙するのですがもしかしたら最初は自分を産んだ“人”と言っていた辺り“産みの母親”の姿に期待していたのかもと思いました。

抑えようとしながらも泣く姿はとても切ないですが、人工物から生まれたコールドベイビーだとしても人間であることに代わりは無いというのが古谷の今までの表情や感情から納得できて好きです。育ての親であるお母さんたちは良い人だと思うので今後も仲良くやっていってほしい。

 

 ・六川夕輝(順也さん)

チャラそうでちょっとしたワルにも見えるけど良い兄貴してました。絶対妹いると思うんですけど。ダメージジーンズはその内膝下あたりで分裂しそうだと思った。

イマドキの若者っぽくて5万円という小遣いが欲しいマンでしたがポジションゲームでちゃんと言った通りのカードを出すんだからそういった情には厚い人なんだと思います。だからこそ信じなかった朱羽への怒りなのかなあ。

コールドベイビーだと分かった古谷に対しても、自分がそれを当てていたことに喜びながらもちゃんと古谷を受け入れてくれる姿は清々しいです。

勝手に過去に何か闇を抱えていそうだと思っていたら日記が超絶シンプルで良い意味で裏切られました。「楽しかった!」の時の笑顔は此方も救われたような気持ちになりました。何だ、彼は救いの人なのか?これからも年下に焼肉を奢ってあげて欲しい。

 

・遠藤朱羽(コーヘイさん)

最初は他人の気持ちは二の次な孤高のインテリゲンチヤで事件を起こすなら彼か夕輝さんだなとか思っていましたがバトミントンでの彼に心を鷲掴みにされました。絶対運動苦手だとは思っていましたがまずジャージの上をズボンにインしているところで「あっなるほど好きかも」と思いました。ただ頭の良さから計算でどんどんバトミントンが上手くなっていく様子はとても格好良い。ただしポーズはダサい。

あのバトミントンの試合がなければ彼ら4人の友情は生まれなかったのでとても大事なシーンなのですが、あのシーンのほぼ全員様子が可笑しいので此方の情緒も可笑しくなりました。しかしお陰で朱羽が藤真たちに心を開いたのだと思うと素敵です。

ポジションゲームでは朱羽は夕輝さんを信じられず亀裂を生みます。頭が良い故にあらゆる可能性が想定できてしまったから結果的に夕輝さんを信じていないように見える選択肢を取ってしまったのかなと思います。古谷が言ったように藤真のカードに合わせたりする方法も彼には浮かんでいそうですが、そこはどういう気持ちだったのだろう。夕輝さんへの対抗心とか反発心とかが勝ったのだろうか。朱羽は親しい友人とかいなさそうなので、その行動を取って他人がどう思うかについてはまだまだ疎そうではあります。

実はC組の4人は全員コールドベイビーであり古谷以外の3人はそのことを知らないという設定なのですが、作中で語られるコールドベイビーの特徴に1番当て嵌まっているのは朱羽だと思います。一瞬マッドな部分を覗かせたりしますが大丈夫でした。他の3人が居たからだと思います。

日記では各々の家庭環境についても明かされるのですが、朱羽の家庭だけは親子間の愛情とかが不足していたと思います。離婚時に朱羽の一人暮らしは認めなかったので愛情が全く無いわけではないと思うのですが。アフタートークでコールドベイビーを養子に迎えるとお金(援助金?)が貰えると言っていたので朱羽の両親はそっち寄りの人だったのかなあ。

 

・中本藤真(石川くん)

初っ端から可愛い。癒し。全体の主人公かと思ったらそうでも無いけどバトミントンでは主人公していた。

とにかく言動が可愛い。本当に20歳なのかと思うほどあどけない。他の3人がしっかりしているのでさらに際立つ純真無垢さ。末っ子として家族に大事に育てられたんだろうなあ。物事に疎いのが伏線かと思ったが違った。

彼はコールドベイビーが愛情を受けて育つとどうなるかの答えになる人なのではと勝手に思っている。若干世間に疎いけど、可愛いから、本編の癒しだから。

 

・善太貴土(小黒さん)

個人的に今作のMVPだと思っている。この人がいなければバトミントンの試合で4人の友情が生まれることもなく、大木さんが笑えることもなかった。社会人としてはあれですが人間としては善の人でした。

上司の話に興味無さげに返事したり煎餅食べたりと大木さんだから良かったものの他の上司の前でやったらヤバイことを結構やっている。ノックは3回以上だと思う。

小黒さんの声が好き。声の出し方がとても良い。

 

・大木亜青(渡辺さん)

観劇前は絶対黒幕だなとか思っていましたが、静かに4人を見詰める様は黒幕とは少し違った。

実は世間にコールドベイビーの研究が発表されるよりも前に密かに産まれていた最初のコールドベイビーのひとりであり恐らくは唯一の生き残りでした。これだけ書くとマジで研究所や政府に反旗を翻すタイプのラスボスになりそうな設定だなと思いましたが、亜青は去年公演された舞台「カタロゴス青」の亜青であり主人公でした。主人公として生まれたが故の苦しみとかを今作で背負っていたように思います。

彼は自分を含めたコールドベイビーが嫌いです。C組にコールドベイビーを集めたのも人工子宮児に言われている欠陥を露にしたかったからです。

ただ自分には感情が無いと言う大木でしたが善太にあっさり感情があることを指摘されて揺らいでいきます。流石善の人。ポジションゲームで4人の絆が壊れなかったことに激昂しますが、怒る時点で感情のある人ですよね。

最初は古谷以外の3人がコールドベイビーである事実を告げようとしていましたが、古谷の話を聞き、結局その事実を告げることはしません。その時の間が堪らなく好き。凄まじい葛藤があったのではないだろうか。古谷がコールドベイビーであることは言いましたね。やはりそれを知った時の3人の反応は知りたかったんだろうなあ。拒絶するのを期待していそうだし恐れていそう。

ただそういう歪みを丸っと放り捨ててくれたのが善太さんじゃないですか……。最後に大木はぎこちなくも笑います。それが答えなんだろうなあと思います。

渡辺さんのスーツ姿がカッコいい!!

スペシャリストたちの夜でのシャツ姿にきゃっきゃ言ってましたが盲点だった……こんなに格好言いとは……!

今まで見た渡辺さんの役は明るいものばかりだったので今回の大木はとても新鮮でした。表情が変わらないし常に眉間に皺が寄っている姿にどっきどき。バトミントンのシーンでは抑え気味ではあったもののはっちゃけてました。座る時に背筋がぴんと伸びていてとても好き。

 

・コールドベイビー

割と差別されているようですが、4人を見ていると普通に産まれた人と変わらないように思えます。古谷はもしかしたら体が弱いのかも知れないが掘り下げはなかったので大丈夫そう。藤真と朱羽はかなりの個性の持ち主ですが夕輝さんとか何処にでも居そうな兄ちゃんです。

公式のストーリーに書かれているように育った環境で内面も変わるのでしょうが、亜青には亜青の感情がちゃんとあると思いました。

 

・終わりに

観て良かった! これに尽きます。

お話としてとても好きです。登場人物もそれぞれ個性があってそれが分かりやすく伝わってきました。特に大木さんが好きなのでそりゃあ今作のエピソードゼロであるカタロゴス青も観たくなります。どうやら映像化するそうなので何としても観たい。

座席も正面に渡辺さんが立ってくれる位置だったのでとても神席でした、ありがとうございます。

 

【感想】舞台「スペシャリストたちの夜」

1月25日(土)、26日(日)に舞台「スペシャリストたちの夜」を観劇しました。

25日は19時公演を、26日は11時30分公演と15時の大千秋楽を観ました。

その時は全然意識していませんでしたが今年初めての観劇でした。観劇初めで推しさんを見られて嬉しい。

結論から言うと超面白い舞台でした。

あらすじなどの情報がないままの観劇だったので一体どんなことになるんだとどきどきと不安でそわそわしていましたが期待を超えました。3回観ましたがいずれも笑っていました。

以下、ネタバレを含んだ感想です。ご注意ください。

 

 

 

今回出演されている御三方は同じ事務所に所属されており、そちらが警察監修において10周年を迎えた記念に企画されたのが「スペシャリストたちの夜」でした。アフタートークでもツッコまれていましたが警察監修10周年のお祝いにそこにノータッチの俳優部が「何するか考えて」と振られるという。しかしこちらとしては五社プロダクションさんありがとうございますでした。

 

・ストーリー

警察監修の人のドラマを作りたいので脚本を作るために奔走する話なのですが、売れない脚本家・稲葉(大神さん)の成長物語でもありました。

キャストさんは3名だけでも舞台上には色んな登場人物が出て来ます。全員が兼役をしているのですが、その中でも加藤さんが一番着替えていてどのキャラも全然違う演技で凄かったです。

少ししか出てこない登場人物でもストーリーに絡んできてキャラが濃いので背景とかが気になりました。僅かな時間で全ての登場人物に興味持てる脚本ってすごい。ニシオカ・ト・ニールさんすごい、演者さんすごい。

話を戻すと、全員が主人公みたいな雰囲気があるのですが個人的には稲葉が物語上の主人公なんだろうと思います。

最初は報酬30万円が欲しくて脚本家の仕事を受けて、警察監修の森本さん(加藤さん)に怒られていじけて適当になって森本さんにしなければならない取材をADさんにしてごまかしの脚本を作ったりします。脚本の依頼者であるAP・田中(渡辺さん)に叱咤され森本さんからチャンスを貰い森本さんのことを調べていく。森本さんの過去を知り、あることを決意した稲葉は最初の頃の稲葉とは別人で、良い脚本が書けたんだろうなと思えるラストは清々しかったです。

 

・笑えて切なくて笑える話

コメディだということは前情報から知っていましたが、常に笑っていられました。警察監修の豆知識も豊富で、だからといってそれを茶化したりとかではなく「なるほど」と思えるように豆知識を混ぜ込みながら笑わせに来てくれました。

特に間の取り方がすごくツボで、居酒屋での気まずいけど面白い空間が笑うしかなかったです。分かる、すごくよく分かる。

しんみりするシーンもあって人間ドラマとしても心に沁みるものがありました。主な登場人物みんな厳しいことも言うけど優しいので此方の気持ちも温かくなります。

後唐突にビーエルになろうとして私は本当に堪えていたもの全部吹き出しました。

Twitterでも書いたのですがこの舞台に出てくる登場人物にはひとりひとりドラマがあって応援したくなります。特にADさんを応援したい。出世してほしいし、もう一度脚本家を目指してくれても良いよ応援する。

 

・稲葉(大神さん)

分かる~その気持ち分かる~ってなるキャラクターでした。

脚本家としての熱意は最初から持っているとは思うのですが、森本さんが扱い辛くてADさんに逃げてふざけた脚本を作っちゃうところは駄目だけど気持ちは分かる。友人でもある田中だから良かったものの他の人にしたらまずいことやりましたよね。若気の至り?彼らの年齢設定はっきり明言されていただろうか。

共感性の高いキャラなのでその分見ていてうっと目を逸らしたくもなりましたが、稲葉は根は真面目でした。逃げようとしたけど若手俳優の一生懸命な姿を見て森本さんからもう一度チャンスを貰って田中と一緒に考えたりして努力します。

森本さんの過去を知った時からの稲葉の涙が熱い。これは大神さんの涙が熱い。腐った部分全部流れ落ちたのではと思えるほど稲葉は成長して、森本さんにも認めてもらえます。大千秋楽で間近で見た大神さんの流れる涙が忘れられない。

大神さんを初めて拝見したのですが演技に惹き付けられる。うまく言語化できないんですが演じるキャラそれぞれの「そのキャラはそういう演じ方だよね」と納得できる演技をしてくれる方だと思いました。シンプルにど直球に私のツボを突いてくる。

コミカル演技の安定感が凄いし新進気鋭の若手脚本家には言ってることは分かるけどイラッとしました。

 

・田中(渡辺さん)

厳しいこともはっきり言うけど稲葉のことを見捨てず寄り添ってくれました。主要人物3人の中でぶっちゃけヒロインポジションに見えてきたのは別作品のフィルターが掛かっているかもしれないけどどちらかと言うと立ち位置も一歩引いたとこが多かったので強ち、強ち……。いやでも最後の突然のビーエル(後述)でやっぱりそうなのかもと思いました。

森本さんとの関係性も好きで、森本さんが「きみのことは信じてるから」って言うのがとにかく好きです。年の離れた人たちの信頼関係が好きです。田中が常に森本さんに敬意を払っているのも良くて、お辞儀が綺麗。あと立っている時も座っている時も背筋が伸びていて綺麗で好き。ワイシャツの裾がズボンにインした姿がどツボなので正直それを渡辺さんがやってくれていてドキドキでしたし毎公演1回だけ裾が出た状態で現れるシーンがあってそこでもどきどきしていました。ジャケット1回も羽織らないのが良い。

渡辺さんのコミカル演技やっぱり好きです。顔芸に始まりズッコケもあるのでそれがよく見える席に座りました。ADさんの「何もないのに転んじゃった」が仕草併せて可愛いし面白い。

渡辺さんのスタイルが良くて格好良いってなっていました。例の最後の場面で稲葉の肩に手を置いた時も身長差もあって格好良かったものの「おや」っていう空気を感じたらキスしようとしたので最後の最後で一番吹き出しました。

実は念願だった女装が見られました!暗闇の中左端から現れるがたいの良いウェーブの掛かった髪の女……渡辺さんでした。腕の筋すごい。

場面的には重要な場面なんですが最初は直視すると笑いが込み上げてきました。2回目からは何かもうそのママが好きになってきてもっと見ていたくなってくる。稲葉を消すために追いかけてからの下りが本当好きです。

 

・森本さん(加藤さん)

滅茶苦茶人情味に溢れた人というのが終盤で分かるのですが、それよりも前にADに対してだったり田中や若手俳優、近藤(犯人役)に対しての接した方とかで気難しいけど根は良い人っていうのが分かるようになっています。それを踏まえて過去に何があって何をしてきたのかが分かると森本さんのこともっと好きになります。笑い方がめっさ特徴的でしたが笑った顔見られて良かったと思える。

加藤さんは色んな役をやっていました。でもそれぞれ全然違う人すぎて凄い。若手俳優の子が良い笑顔でアフトでもはけた後でも笑顔の残像があると言われてましたが本当に笑顔残っていました。

森本さんに似ている設定のラーメン屋の店主のリュウちゃんは森本さんに寄せてるんですけどそれでも別人というのが分かる演技って加藤さん器用過ぎませんか。リュウちゃんは現役時代の森本さんが担当した加害者側の家族で、当時のことを稲葉たちに話してくれますがつらい、つらい……。森本さんが居たからリュウちゃんはいまもやれているんだと思います。奥さんいないのかなとか背景が気になって仕方ない。

 

・アフトゲスト

KIMERUさん、永山さん、高橋さんの回に居ました。本当にたまたま渡辺さんの縁の人たちが出られる回でした。

キメルさんがかなりのアグレッシブな方というのが分かりました。役者さんのご両親とご飯に行くとかすごい(役者さんは不在)。この方は常に周りを観察していると思うので面と向かったらなんでも見透かされそうです。渡辺さんが再現してくれたコンビニ店員の役やってほしいし死体役も見たい。

永山さんは普段は本当にイケてる人だなと思います。鉄ミュの兄さんのばたばたっとした可愛らしさは何処へやったのか滅茶苦茶イケてる人でした。ふざけてるんじゃないよと渡辺さんを叱る永山さんに笑いました。

高橋さんはスペシャリストたちの夜にも協力(舞台監督?)されていて裏方で動いていたらしく、たぶんアフトの準備で椅子出してるのも高橋さんでしたか?

多才だなあ顔小さいなあリリイベの時より痩せてないか?と思いながら正面から眺めていました。この日はト・ニールさんも出てくれたので殆どマイク係していました。チックトック炎上したのか……。

ト・ニールさんの声が好きすぎてどうしようかなと思いながらもお話聞いていました。

裏話とかが聞けてたいへん満足な時間を過ごしました。渡辺さんがいつもいじられてました。舞台上の小道具もそれぞれのキャストさんたちの私物ってすごい。早着替えが何回もあったのですが舞台上で着替えるっていう演出良いなあ。

 

・警察監修

話の中に豆知識がたくさん盛り込まれていて楽しく分かりやすく知識を吸収できました。警察監修というのがどういう風にドラマに関わっているのかも分かったし、最終的には制作側に任せるそうですがどれだけリアルにするかの塩梅とか大変そうです。

リュウちゃんラーメンの話は実話を基にしているそうで、森本さんのような人って本当にいるんだなとぐっときました。そういう人もいるからさあ出会いに期待しちゃうんですよ。あと警察には休みが無いって話におう……ってなりました。

 

・最後に

終わってしまった!もっと観たかった!

警察監修に関わる話ということで最初は難しい話なのでは、それでコメディって笑えるのか、と何やかんや考えていましたが杞憂でした。

警察監修を題材にしているけど主人公はその外側にいる人なので観客と同じ視点でリアクションもしてくれてすぐ入り込めました。

そしてこれは稲葉と田中のバディものでもあり、ふたりの今後も見たい。

劇場は新宿スターフィールドという小劇場でたぶんライカ観に行った新宿FACEよりも規模小さくて最前列とか舞台とすごく近くて「これが小劇場……」と緊張してました。

余談ですが今回自由席だったので遠征前に会社の後輩に何処に座ればいいかアドバイス頂いていました。あと会場で知り合った方々にもアドバイス頂きました。お陰で渡辺さんがよく見えましたありがとうございました。

前から2列くらいは背凭れなしのベンチ席だったので尻が駄目になりましたがそんなことどうでもいいくらい面白かったです。小劇場のルールとかまだよく分からないけど雰囲気好き。