とりぼっち

主に舞台の感想が好きなように書かれています。

【感想】イノサンmusical

12月9日(月)、イノサンmusicalマチネ公演を観劇しました。

場所はヒューリックホール東京。元映画館でオープンして1年くらいなので綺麗。座席は映画館の座席で柔らかい(しかし尻は痛い)です。千鳥配列にもなっているので見やすかったです。

初めて日帰り東京遠征を経験し、「行けるぞ」と味を占めましたがもう少しゆっくりもしたい。

以下、ネタバレを含んだ感想です。ご注意ください。

 

 

 

太田さんや荒牧さん、まさかの梶さんに釣られてチケットを購入しました。

原作は観劇時点では未読でした。「イノサン」の試し読みを拝見しましたが死刑執行人になる運命だけどとても気弱そうなシャルルが私のツボに入りました。

 

・評判は知っていた

物販の情報が知りたくてTwitterを色々巡っていたので、観劇した人たちの感想も目にしていました。どうやらあまり評判は良くなさそうだ。物販についても同じような感じでしたが、こちらは改善されていったのではないでしょうか。物販開始時間とか。レジの回りは早い印象でした。

 

・開演10分前

客席がざわざわしている段階から舞台上に役者さんたちが出てきます。現代の格好をしているため最初誰が誰か分からなかったんですが徐々に分かりました。太田さんは一発で分かりました。通路を通っていきました。ざわざわはしていましたが声を出していいのか悩みました。ただこういう演出初めて体験したのでちょっとわくわくしていました。

 

・ダイジェスト

全体的に見ると「イノサン」「イノサンRouge」のダイジェストを観た感覚でした。流れがぶつ切りなところが多々あるため原作を読んでいないと分からない部分がありました。原作を読んでいると脳内補完はできたのかもしれない。

登場人物はそれぞれ個性があってキャラ萌えの視点からだととても楽しかったです。シャルルの苦悩やマリーへの(伝わらない)優しさやルイ16世との友情がとても好きです。

だからこそ人間関係をもっと描いてほしかった。マリーとアンドレの主従関係ええやんとか思いましたがアンドレがマリーに尽くす理由をもっと教えてほしかった。一番分かり難かったのはマリーとアランの関係です。旧知なのは会話で分かりましたが昔語りされても分からないぞ。原作ではちゃんと描かれているのでしょうか。アランはWキャスト(Wキャストは鉄ミュの西有しか見たことがない)故なのか出番が限られていて、正直いつの間にか学校建てて、いつの間にか燃やされて、いつの間にか撃たれて殺されていました。もうちょっとマリーと絡んでくると思ってました。

あとはオリビエって誰だ……と観劇しながら思っていました。最初からいましたか? 突然父親を殺して逃亡しているという情報が出てきた気がするのですが。

 

・脚本と演出

問題視されているのはこの2つだと私も思うんですが、好きな部分もあります。

  • 客降りが多い。通路から現れたり、通路から出て行ったり。通路で立ち止まって会話することも結構ありました。シャルルが招待を受けてヴェルサイユ宮殿を訪れた時とか通路に居る時間が長くてドキドキしました。マリー(中島さん)の顔は超絶小さかったです。
  • 貴族のお花畑感が好きでした。貴族の歌は明るくてちゃらんぽらんで聞いていて楽しかったです。気のせいかも知れないんですが、貴族集団の最初のシーンで凄く良い匂いがしました。
  • シャルルとルイ16世の友情の描かれ方はぶつ切りはぶつ切りなんですが割と好きで、シーン数も多いので良かったです。それにしたって太田さんは常に高貴でした。手を伸ばしても届かない感じです。もっとふたりの歌が聞いていたかった。最期のシーンも友情を貫いてくれてぐっときました。
  • キャストさん全員に歌の見せ場があるのも嬉しかったです。アンサンブルも個々に歌っていて良かった。

ただ聞き及んでいた最後の現代シーンについてはまず女子生徒(マリー)が急に反抗して出ていくのが唐突すぎて、その過程を描いてほしかったし、全体的に過程が抜けている気がするし辿り着く結果もよく分からないし(マリーのその後は分からないって投げるところとか)と何か色々なものが溢れそうになりました。問題の説教シーンは何か言われてるなと思って見ていた。あの現代シーンで何を伝えたいのかがどうしても分かりません。

 

・まとめ

元々観劇している間は頭空っぽで楽しいな~ぐらいしか考えていないので、評判はどうであれ楽しめるだろうと思っていました。実際楽しかったは楽しかったです。初めて体験する演出がたくさんあって、ご起立させられたりライブ始まったり、笑ったりもしました。

フェルゼンおまえのことだ。彼は一体何だったんですか? 未だに私には分かりません。5分も出てこないのに凄まじい存在感でした。私のイケメンセンサーが作動して観劇前に個ブロを買ったのですが、登場して腰から下がヤバいことに気付きました。

楽しかったんですけど、批判されている部分に凄く納得できる作品でもありました。初めてスタンディングに遭遇しましたがそれもまばらで少し切なかったです。私は楽しいと感じたので立ちました。

色々なことを初めて体験できた作品でした。パリ公演が無事に終わると良い。